地方議員セミナー「子ども子育て支援新制度」・奈良県立図書情報館


表題のセミナーおよび奈良県立図書情報館の視察に行ってきました。
以下はセミナー報告書、図書館は他の議員が担当しています。

講義Ⅰでは新制度導入までの経過について実方伸子(保育研究所)からの説明があった。民主党案の総合こども園法を自公共が取り下げ・修正により認定こども園法として改正された。
しかし複雑な現行制度に加えてさらに複雑な制度になってしまった。実際の運用についてはまだ議論が進行中で全体像がつかめていない状況である。
現在でも満足でない(という見解)基準がさらに緩和されたことにより、待機児童を解消したヨコハマ方式などが成功例として取り上げられているが、高架下に設置されたり、川崎市では産廃施設の隣に設置された例があげられた。
この改正の狙いは国の予算削減の為の給付コントロールが透けて見える、という見解である。しかし国はガイドラインを示し、実施主体は市町村となり、条例で定めるところとなる。ここでチェック機関としての議会の存在意義が見いだせるとの見解であった。
しかし国からの予算がコントロールされれば、自治体間によってサービスの格差は広がるだろうとされた。

講義Ⅱでは、村山祐一(保育研究所所長・元帝京大学教授)より子ども・子育て支援関連3法の概要および新制度の全体像についての講演がなされた。
講義Ⅰの内容をより詳細に説明があり、規制の緩和による悪影響についての懸念が示された。園への補助金から親への給付という形に改正されるので使途制限が緩やかになり、サービスの質が確保できなくなるのではないかという見解や、OECDのデータを参照し、保育費の負担の高さ(保育予算の少なさ)が示された。

講義Ⅲでは大井琢(日本弁護士連合会・貧困問題対策本部委員)より新制度における保育の利用(保育所入所)手続きについての講演がなされた。
改正のひずみにより保育の利用手続きに生じる可能性がある問題点についての見解が示された。二段構えの手続きになることにより、保育へのアクセスが阻害、自治体職員の事務量の増大、保育の差別化が生じるであろうとの見解であった。また営利企業の参入は良質な保育を実施するに当たり矛盾がある、とされ否定的な見解であった。しかしその根拠とする民間企業についての氏の見解は偏重も感じられた。

講義Ⅳでは杉山隆一(佛教大学)より市町村・地方議会の課題、子ども子育て会議と事業計画について講演がなされた。市町村が定める条例についての基準について詳細な説明があった。設置基準や保護者負担、保育士資格等、現行基準より引き下げさせないようにするために議会の役割があるとした見解であった。議会より意見書を決議し内閣府に送付することも一つの手段である旨の提案がなされた。まだ保育士の人材確保が難しくなるという懸念が示され、雇用形態についても非正規率を引き下げることが重要だという見解が示された。

所見:新制度については、様々課題や問題の発生が懸念されるが、2015年施行が決まっており、その運用や制度の詳細について議論が進んでいる。現段階では全体像が明確になっているとは言い切れない。ただ今後も自治体の役割と裁量が益々大きくなることは疑いのないところであり、自治体間のサービス格差は財政力により生じる可能性が高い。議会の役割としては良質な保育サービス提供を実現させる為に監視や議論により力を入れるべきであろう。また、講義で示されたような参入企業悪玉論に流されるべきではないと考える。設置基準と監視をしっかり行うことを前提とし、民間活力を取り入れることが必要なのではないだろうか。
財源論には不安を払しょくできない。給付制度に移行することによって保育予算を国が絞り込む方向でコントロールされるという見解には概ね同意できる。私も介護事業者の一人であり体感しているところであるが、介護は既に給付制度に制度に移行しており、事業の厳しさを実感している。介護から保育までを含めた社会保障費の削減は債務超過と揶揄される我が国の命題でもあるが、その様な中でも知恵を力を出し合って制度を維持しなければならない。そこには民間活力の導入も重要な手段の一つであろうし、自治体の予算や事業のチェックを行う議会の役割も益々重要になると感じた。
また、財政状況を好転させる手段の一つとしてhあい経済成長を実現しなければならないと再認識させられた講義であった。

文責:北村貴寿

奈良の図書”情報”館は「ライブラリー・オブ・ザ・イヤー」にも輝くだけあって素晴らしい図書館でした。
雑誌”ソトコト”の図書館特集にも紹介されていました。

また図書”情報”館だけあって、IT関係の設備が充実しています。撮影スタジオなんかもあって、地元議員が撮影に使ったりしているとか。バックヤードの100万冊収納可能な自動書庫はド迫力、凄いスピードで動くコンテナにビックリ。

そして、企画やイベントの多さに驚きました。話を伺うと館長さんの手腕によるところが大きいとか。
市と県との連携については「ゆるやかな役割分担」を意識されており、それはビジネス支援にも見てとれます。
歩き始めた起業家たちへ知の拠点としての支援を重視。交流やリファレンスに主眼を置いた支援を展開されています。

新図書館整備についての議論が進む大村市。
私も大いに刺激を受けた視察となりました。

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