1月の本ネタ

日本書紀(上・下)全現代語訳
宇治谷 孟

新年読み始めは日本書紀。

天武天皇の発意により養老四年(西暦720年)に完成した官撰の歴史書。30巻に及ぶ膨大な量と漢文体の難解さで一般にはなじみにくいとされてきたものを20年かけて現代語訳された画期的な労作・・・だけにスラスラ読める、というものではないような。私は結構時間がかかりました。

古事記より歴史書という側面が強い、とされていますが、なかなどうしてこちらもファンタジー&バイオレンス&セクシー(失礼)

武烈天皇のくだりなんかは思わずのけぞってしまいます。
現在からは想像もできませんが、国家権力の統合ってこういう事なんだろうなあ、と思います。
武家社会の到来以前には天皇家も戦国大名と変わらない存在だった訳ですね。

後半になればなるほど子細になり現実味があります(当たり前か)
おなじみ聖徳太子や白村江の戦いなども出てきますよ。

教養として読んどいて損なし。ですが少々根性いるかもしれません。

燃える闘魂
稲盛 和夫

説明不要かと。
経営者やリーダーたらんとする方には読んで損なし
ただスラスラ読めてしまいまう故に、物足りなさを感じるかもしれません。

アニマルスピリッツが大事なんだけどその前に「徳」が必要だという事ですね。

小説 上杉鷹山 全一冊
童門 冬二

母の友人にお勧め頂いた本。
こちらも長編ながらスラスラ読めました。

著者の文体に好き嫌いはあるでしょうが政治家やリーダーたらんとするもの読んで損なし。
ケネディ大統領に一番尊敬する日本人と言わしめた上杉鷹山の思想、態度、采配、行動にはいちいち得心します。

小説ですから想像・脚色も多いのでしょうが、細かいことは言いっこなし。

お勧めの一冊です。

ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則

ジム・コリンズ
ジェリー・I・ポラス

スタバの元CEOが紹介していた本。

出版は1994年と約20年前。ですが内容はまさに”時代を超える”法則で満ち溢れています。
基本理念の重要さを説き、それをいかにして浸透させるか。

アメリカの主要企業、ディズニー、ボーイング、ウォルマート・・・など18社の設立から現在に至る経緯を6年間かけて調査したレポート。精神論をただ並べているのではなく、説得力があります。
その中でも唯一の国外企業としてソニーが取り上げられており日本人としては誇らしいですね。

著者がピータードラッガーの後継者とみられていたというのも頷けます。「会社は株主のもの」はやっぱり勘違いですね。

20年前の翻訳には少々とっつきにくさはありますが経営者や起業家は読んで損なし。

このシリーズ、次の作品が400万部を記録しています。読んでみよう。

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