第98号議案(中小企業振興基本条例)についての賛成討論

私が中小企業振興基本条例に出会ったのは市議会に送っていただく1年前でした。
議員として初の一般質問からも継続的に取り組んでいるテーマでありますので、足かけ3年10か月、今議会で制定が実現することについては本当に嬉しく思いますし、大村市の中小企業振興において新たなスタートが切れると意を強くするところであります。

この条例との出会いは条例制定と地方自治をテーマにした京都大学教授の講義でした。
講義後に中小企業者の皆さんと条例や中小企業のあり方について、一経営者として議論したことを今でも覚えています。

それは「この条例は運動なのだ」という事です。

経済活動が活発に行われることにより、雇用が生まれ、様々な技術や製品・サービスにイノベーションが継続的に起こり、文化の醸成が伴った明るい豊かな社会。誰もが望むであろうまちの姿です。

そのまちづくりを実現するためにはこの条例が意味する「運動」すなわち大村市全体での「経済活性化運動」が必要なのです。

この条例は理念条例であり、行政が地域経済の活性化に、中小企業者と共に真剣に取り組んでいくという姿勢を表すもの。言い換えれば「地域の企業と共に歩む」という行政の覚悟を明文化した条例であります。

これまでの中小企業支援・経済活性化の為の施策といえば、補助金助成金公共事業が連想されます。それらの手法が果たしてきた役割を否定するものではありませんし、今後も一定の割合でその効果はもたらされるでしょう。

しかしこれまで通りの手法だけで、これからの社会に対応できる筈もありません。
ご承知の通り、インターネットの普及により地域や国家間の「経済の垣根」は限りなく低くなりました。ヒト・モノ・カネの流動性がますます高まったグローバル社会が既に到来しています。また我が国は超高齢化社会に突入しました。働き手が減る社会の中で、硬直化した財政構造の上にのしかかる社会保障費の増大は避けられない。その様な社会に対峙し、経済を活性化させ税収を確保するためには「経済活性化運動」が必要なのです。

その運動とは何か?

それは「危機感を共通し、共にどんな社会を目指すのか議論し、ビジョンを共有し、共に行動を起こす事」にほかなりません。

その運動を推進するエンジンとなるのが第11条に規定される「中小企業振興会議」です。

「人と人とは支えあうもの」というのが普遍の原理であるように経済活動も同様です。中小企業事業者は小規模な企業です。零細企業と言ってもよいでしょう。一企業だけ、一人だけでできることにはどうしても限界がある。流れの早い、厳しい時代です。いくら頑張っても結果が出ない。そんな時には心折れそうになる時もあるでしょう。
そんな時に、共に理解しあえる事業者がいる、議論しあえる市民がいる。行動を共にする行政がある。そんな交わりの場である「振興会議」が個々人の経済活動を大村市全体への経済活性化運動へと昇華させることができる。新しいアイディアや新しい挑戦が生じ、明るい豊かな社会づくりが具現化する。これこそが、この条例制定が意味するところだと考えております。

担当部局の皆さんには幾度となく勉強会に参加をされました。それが職責とはいえ、この条例への理解をじっくり深めてこられたところに敬意を表する次第であります。また、制定協議会を立ち上げ、熱心に議論をし、条例案を作成された市民の皆さんには心より感謝を申し上げる。政治や行政のお仕着せではない、中小企業者の皆さんが興した制定運動が実った本当に理想的な形の条例制定でありますし、県内で初制定となったことも花をそえる事になるのではないでしょうか。

言及の多い産業支援センターの設置やその形態については、会議の課題の一つとして議論を深めていただき、市民や中小企業者の皆さんと共にする運動の拠点として設置を進めていただきたいと強く要望し、賛成討論とします。

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