顧問報告
平成八年、二十三歳の私が卒業の年に顧問報告をすることになろうとは夢にも思いませんでした。十七年間の在籍から得た経験やJC魂を後進に伝えきれたのかと問われれば、正直自信がありません。ブロック会長職を終えたあたりからでしょうか、生来の傍若無人さに磨きがかかり、上から目線な言動が数多くあったかと思います。「JCは縦社会」が私の持論でもあります。その理不尽さが修練よ、とどうかお許しを願いたい所です。昨年末、指方理事長より顧問職を頂いた時は「最後の年に理事会に出席できる」と正直嬉しく思いました。また議決権なし、担当なしと両肩に両翼。グローバルリーダー育成塾の塾生として学ぶことを最優先にしておりましたので、全国各地に羽ばたかせて頂きました。私事ですが議員という公職を頂いていることもあり、会議などを失礼する事も多かった。最後の年に例会欠席、ブロック大会欠席も痛恨事です。そんな中での理事会でしたが、理事の皆さんと議論をするのは本当に楽しかった「理事を鍛えるのが私の置き土産」と勝手に思い込み、難くせこじ付け無理難題を吹っかけることもあったかと思います。中には新人とは思えない程の答弁を返してくる委員長もあり、怯む場面もありました。同時に将来が楽しみだなあ、なんて思ったりしたものです。大所高所から理事の姿勢や事業目的を論じ、細部は皆さんにお任せというスタイルで臨んだつもりですが、その評価は皆さんにお任せしたいと思います。全国大会卒業式では何故か京都からのスタート。鹿と戯れ寺巡り。東山魁夷に癒され、奈良の大仏様に引導を渡され、見事に成仏させていただきました。また、グローバルリーダー育成塾卒塾式では「九州です!」「ラストイヤーです!」とのアピールが功を奏したか?なんと最優秀塾生賞を賜りました。これも私を自由に羽ばたかせてくれた皆さんのお蔭です。高い志を抱いた塾生達とともに質の高い学びを得たこの経験を、世の為人の為に活かさなければならない。そんな不退転の決意をした奈良薬師寺でありました。私にとってのJCは学び舎であり、青春そのものでした。若い私は愚かでした。自分勝手な人間でした。人の気持ちを汲み取れるような人間ではありませんでした。ずいぶん衝突しましたし、喧嘩もしました。しかし様々な職責を頂き、担いを与えられ、事業を遂行し、皆と汗をかきながら展開した運動や活動、JCのご縁は私を大きく成長させてくれました。今の私があるのはJCのお蔭と臆面なく語ることができます。後輩の諸君、JCを人生に活かすも殺すもすべて自分次第です。JCを続けるには大変なことが多かろうと思います。加えて腹の立つこと悲しいこと、会社の理解が得ずらい事や、家族と自腹にはさびしい思いばかりさせるかもしれない。私も一度は退会届をしたためた事もありました。しかしそんな時にこそ、じっくり考えてほしい。易きことに何の価値があるだろうかと。人は鍛えられなければ強くなりません。困難に立ち向かわずして強靭な精神は培われないのです。そして共に汗をかき、共に笑い、時に涙した信じあえる仲間達こそ人生最高の財産となります。やせ我慢はJCの美学。ぐっと堪えて顔を上げよう。そうすれば暗いトンネルにも必ず出口が見えてきます。そして、どうかこれだけは忘れないでほしい。私の最後の願いは後輩諸君が全員卒業することです。JCよ本当に、本当にありがとう。生涯一Jaycee宣言!
出向者報告
本年(公社)日本JC長崎ブロック協議会に顧問として出向させていただきました。お声を掛けていただいた岩下会長に感謝申し上げますとともに、出向をお許しいただいた指方理事長に改めて御礼申し上げます。「今の貴様は何点だ?」という殺し文句とともに議長委員長予定者のプレゼンテーションをぶった切り、背中に汗をかかせたのも束の間。グローバルリーダー育成塾に入塾が決まったとたんに顧問職を島原JC林田君に丸投げ。私のブロック会長時代、ブロック大会実行委員長を務めてくれた彼に甘えっぱなしの一年でありました。歴代会長でありながら、ブロック大会を欠席することは本当に心苦しい思いでした。六月議会会期中でもあり、グローバルリーダー育成塾の講義も重なり、せめて数時間だけでも顔出しをと画策したのですが、やはり出席が叶いませんでした。福江JC土岐理事長をはじめとするブロック役員の皆様には本当に申し訳なく思っております。七年後の福江大会には必ず出席することをここにお誓い申し上げます。役員であるにもかかわらず、本会の事業ばかりに参加していたので顧問としての職責は果たせなかったように反省しております。ただ出席している時には厳しめのコメントばかり申し上げました。この理不尽もJCへの愛と思ってお許しいただきたく思います。後輩諸君、出向は良いものです。JAYCEE十訓に「生活圏に止まることなく広く雄飛しろ異文化が発想の転換を可能にする」との一文があります。日本全国津々浦々、所変われば品変わる。狭いようで広い世の中。考え方も風土も多様であり、様々な価値観があるものです。己の器を広げたいのであれば、迷わず出向をお勧めします。
最後になりますが、本年、島原JCの本多弘和君を失ったことは痛恨の極みでした。彼とは2004年、私がブロック委員長を拝命した頃からのご縁でした。お互い出向畑だったせいかよく顔を合わせましたし、私の卒業の年にお互いブロック役員として出向することになりJCのご縁を感じたものです。春に病魔に襲われ、秋に電話で話したのが最後でした。暖かで柔らかな性格がにじみ出る彼にもう会えることができないのは筆舌に尽くしがたい悲しみです。もう一度会いたかった。会いに行けばよかった。悔やんでも悔やみきれません。ヒーロー君、本当にお疲れ様でした。どうか安らかにお眠りください。合掌。
後進の諸君へ。
高い志を持ってほしい。
事業とは何か。地域とは何か。国家とは何か。JCとは何か。
私たちは何を成すべきか。
妥協を排した議論をしてほしい。行動してほしい。
高い志と大きな夢を語ってほしい。
失敗を恐れないでほしい。
逃げたらゼロ。失敗しても課題が生まれる。
命まで取られることはそうそう無い。
明るく笑顔で元気よく。
大胆な挑戦をしてほしい。
学ぶことを諦めないでほしい。
千里の道も一歩から。
それぞれの歩幅でいい。少しづつでもいい。
大きな夢に向かって学びを続けてほしい。
仲間を大切にしてほしい。
「人の人たるは人と人との繋がりにあり」
会社の仲間や趣味の仲間。
家族を大切にしてほしい。
最後に。
必ず卒業してほしい。
これだけは石にかじりついても成し遂げるべし。
ありがとう、JC。