財団経営の哲学―活動指針「七つの鍵」
尾形武寿
献本頂くも積読。ようやく読了しました。
大村市はボートレース発祥の地。その収益を公益活動に充てる日本財団のトップ、笹川陽平会長と財団スタッフとの「語り場」をまとめたもの。
タイトル通り「哲学書」とのイメージを持って読むと肩すかしかも。
口述的な文章で話が飛び飛びになりますから日本財団の広報的冊子、と考えたほうが良いかも。
ただ「世界は一家、人類みな兄弟姉妹」という信念に貫かれた公益的活動には敬服せずにはいられません。
阪神淡路大震災の教訓を生かした東日本大震災への対応や世界規模の環境活動。
文章の節々に心を打つ言葉がちりばめられています。
大村市の名も出てきますよ。
ご献本感謝です。
古事記物語
鈴木 三重吉
いわゆる我が国の神話です。おなじみイザナミイザナギや天の岩戸の話など。
現代常識からはかけ離れたぶっ飛びバイオレンス&ファンタジーな話が淡々とした文体で記されています。
古事記の現代語訳は他にもたくさんあるのですが、著者の解釈は読みやすいと評価は高いようです。
ただ神々の名が分かりづらいのには閉口しますが、神話なんだから仕方ない。
これも教養の一つですね。
次は正統とされる日本書紀にチャレンジしてみます。
マネジメント[エッセンシャル版] – 基本と原則
ピーター・F・ドラッカー
ドラッガーものは数冊読んでいましたが、1975年に発表され世界で広く親しまれてきた大著「マネジメント」のエッセンシャル版はまだ読んでいませんでした。
2001年に編集と訳文をやりなおし「マネジメントのパラダイム転換」「チェンジ・リーダーの条件」の新訳を加えた本書。
「その通りだ!」と得心する部分もあれば、全く頭に入らない部分も多く何度も読み返した。特に組織構造の分類等はお手上げでした。
新訳とはいえども文体と語彙が固すぎ。
論文に慣れない方にはお勧めできませんが、自らを経営者と自認するならば押さえておくべき一冊でしょう。
私も経営者の端くれ。その手法は本に学び、人に学び、自ら体得してきたものです。
まだまだ小さなグループですがもう少し成長させたいところ。
ただし本書では成長を目的にしてはいけない。しかし成長の最小点をマネジメントし成長と肥満の違いを見極めておかなければならない。と記されています。「イノベーション」への言及も多数。
本書でも指摘されている通り、マネジメント=管理、と捉えがちなのではないでしょうか。
その観念を捨てた時に現代のマネジメントが始まります。
いわば経営とは人を活かす術と言えるでしょう。
11月に三冊しか読めなかったのはこの本が原因。
ですが再読する必要あり。
そして自らに問い続けなければならない。
「我々の事業は何か、何をなすべきか」
師走が到来、議会や会合の年末進行ですが、なんとかお師匠の教えを守りたいところ。