10月の本ネタ

新訳 君主論
ニッコロ マキアヴェリ

マキアヴェリといえばそら恐ろしいイメージがある方も多いのでは。
目的を達成するためには手段を選ばないという方をマキャヴェリストと呼んだりします。

文体は散文調というものでしょうか。加えて15世紀のローマやイタリアの政情にはまったく知識がないもので、なかなか頭に入らず途中何度も読み返してしまいました。
巻末の解説を先に読んだほうが良いかもしれませんね。

所々に出てくるリーダー(というか戦乱の世の権力者)に投げかける非情な言葉には、なんとなく納得できるものもあります。
ただしかなり苛烈な思想です。いわゆる「道徳」といったものとは真逆です。

戦乱の世に独学で紡ぎあげられた思想書。当初はセンセーショナルすぎで非難を浴び、ローマ教皇庁から禁書目録に入れられる。再評価されたのは19世紀になってから。

私も政治家では一年生ですが、経営者としては10年選手。
「非情さ」は時に必要だと思ったりします。

ただし現代の中小企業経営にはあまり参考にならないかと。
選挙という戦をやる政治家向きではあるかもしれません。

企業の未来をデザインする
(公社)日本青年会議所

2012日本JC企業の未来デザイン委員会が出版した一冊。

「人財」を経営にどう生かすか。

ワークライフバランス構築に積極的な企業を例に挙げ、女性や障がい者雇用を勧めながらいかに社会に貢献していくべきかが記されています。

私も経営者として納得できるところも多かった。
介護・医療関係ですから女性中心の職場ですからいろんなヒントも。
その為にはもっと頑張らなきゃなあ・・・と思います。

兎も角これぞ日本企業、徳は事業の基である。君主論とは正反対ですね。
ブロック会長時代にお支えさせていただいた殿の会社も載っていました。

あー井川さんにサインもらっとけば良かった・・・

イノベーション・オブ・ライフ
ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ

クレイトン・M・クリステンセン

タイトルからは小難しい印象を受けますが、内容は至って分かりやすい。
いわゆるエリートを世に送り出すハーバードビジネススクール。
その看板教授が卒業生たちに贈る最後の講義をまとめた一冊。

最高の人生を生き抜くための理論、というか人生哲学が記されています。
日本とアメリカ、国は違えど同じような価値感があるものです。

子を授かったら読み直して見たいと思う良書。オススメです。

明治憲法の真実

伊藤哲夫

「教育勅語の真実」シリーズ第2弾

明治憲法の制定の背景からプロセスまでが非常にわかりやすくまとめてあります。
教育勅語に比べる、と当時の政治的駆け引きに言及されていて興味深い。
福沢や大隈のスタンスの変化なども面白いです。

「明治憲法は欠陥憲法」「専制政治を肯定する憲法」だという主張を耳にすることも多いかと。

だから日本は戦争に突入した。
敗戦し新しい憲法(現行憲法)で平和が維持できている。
なので憲法改正すると右翼国家になって戦争を引き起こす。

とまあ、だいたいこんなロジック。

では明治憲法はどんな憲法でどこが欠陥なのですか?という問いに答えられる方は少なかろうと思います。
実際に欠陥はあります。軍のシビリアンコントロールが担保されていない。

しかしそれは徳義の政治におもねるあまり生まれたひずみとも言えます。

欧米列強の外圧により徳川300年の幕藩政治から大政奉還となった維新後、屈辱的ともいえる不平等条約を是正するため、急速に洋化し憲法制定、国会開設を迫られていた当時に制定された憲法です。
それに欠点がないと考える事にそもそも無理がある。

ただ軍閥内閣を成立せしめた「欠陥」についての言及は殆どありませんので物足りなさも。
明治憲法の入門書としてはお勧めかと。

日本とはどのような国体なのか考えるならば「ウシハク」「シラス」の違いぐらいは抑えていたほうが良いでしょうね。

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