もし小泉進次郎がフリードマンの「資本主義と自由」を読んだら

もし小泉進次郎がフリードマンの「資本主義と自由」を読んだら
池田信夫 原作,田代真人 構成,藤咲ユイ 画

どちらも読了していた もしドラ と 資本主義と自由 のハイブリッド?マンガ

私、全くマンガは読みませんがタイトルと信夫先生につられて買ってみました。
ちなみにマンガが嫌いな訳ではなく、読みハマりすぎてしまうので避けてるんです。

内容はというと池田信夫氏の主張する経済観測、国債バブルの崩壊が現実となる近未来。
その打開策をガラガラポンで首相になった小泉Jrがフリードマンの「資本主義と自由」から引用した10の政策を実行していく話です。

ちなみにこのマンガで実行される10の政策とは、

1.農業補助金廃止
2.関税撤廃
3.最低賃金廃止
4.企業に対する規制撤廃
5.政府による電波割り当て廃止
6.公的年金廃止
7.職業免許廃止
8.教育バウチャー
9.郵政民営化
10.負の所得税

なんですが、この政策がどうやって国会を通過し、どんな効果がもたらされるかは全くと言って良いほど書いて無い。

また政治的な動向もサラッと書かれていて、小泉Jrが日本を再興する政治経済ドラマ、と期待すると肩すかしかも。
経済用語もそのまま出てきますし、マンガだから分かりやすい!って類の本でもありません。
主な内容としては、財政赤字が蓄積してデフォルト寸前になり金融危機がおこる。オチは解散総選挙で国民は改革を選び、アジア通貨危機でIMFが韓国に乗り込んだように日本にもやってくるというもの。なんとIMFはマッカーサーでした(大笑い)

酷評してしまいましたが、話題の橋下市長ならぬ 本橋大臣がぶち上げる大阪独立構想なんかは面白いですね。
「革命に法律もへったくれもあるか!」なんてタンカを切るところなんかはホントにありそうです。

奇しくも 大阪維新の会 から維新八策なるものが発表されました。
理念はかなりフリードマンとかなり似ています。そして実現へのハードルの高さも。
新しい国づくりを始めるのは自民党の小泉Jrではなく、橋下市長なのかもしれませんね。

ともかく、このまま国債増発が続いて財政破綻するとどうなるの?という疑問をお持ちの方にはとっかかりとしては良さそうかも。

ただし経済観測はエコノミストの数だけあると言っても良いでしょう。
このマンガも一つのストーリーですし、この予想通りになるとは限りません。反論も多いですしね。
ハイパーインフレによる焼け野原作戦も元本は軽くなりますが、物価の上昇による政府支出&利払いの増大で財政赤字は益々増える可能性がある。

財政破綻を避けるにはギリシャの緊縮財政が可決されデフォルトは避けられそうですが、果たして日本ではどうなのか。
民主党の中にも党内党が跋扈しており、かつての自民党(今もかな?)を彷彿させます。

数日前に日銀が金融緩和を発表し、円高が一服、株価も回復基調ですが時間稼ぎにすぎない、という見方もあります。
実態経済が強くなったわけではなくあくまで「市場へのプレゼント」
財政再建や企業6重苦解消の為の構造改革をやらないでよくなった、という事ではない。

20日にギリシャ追加支援が決まるか否かが次の山という見方がありますね。
楽観ムードですが、決めるのは政治。一寸先はナントヤラ。

国のレベルは国民のレベル
政治家のレベルは有権者のレベル

未来は我々次第という訳です。

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