現代地方自治の課題

現代地方自治の課題

佐々木信夫、牛山久仁彦、土居丈朗、外山公美、岩井奉信(著)

地方自治論の論客5名の共著
それぞれの観点から地方自治の課題について論じている。

・佐々木信夫
「挑戦する自治体をどうつくるか」
「地方議会をどう変えるか」
「挑戦する自治体職員」
地方分権が進むなかでの自治体経営、地方議会に今後求められる役割、自治体職員かくあるべし、という内容
政治家は消耗品で自治体職員は備品、というくだりは面白かった。
行政職員にはいわゆるスーパー公務員になれ、という叱咤激励だが、これまで通り公務員の権利に安穏としていられない現実がやってくるのではと警鐘を鳴らす。
地方議会については政策立案、立法機関となれ、という一般化してきた主張。

・牛山久仁彦
「政策の企画立案と自治体の取り組み」
「住民協働のまちづくり」
新しい公共を切り口にNPO、市民活動と協働政策について。
公共サービスの市場性の齟齬を指摘、新しい公共までにいたる文脈や今後の課題等

・土居丈朗
「日本の財政と地方財政の危機構造」
「地方財政の今後と改革」
夕張の「飛ばし」を可能にした財政構造の問題点を指摘しながら特別会計や三セク、公社の債務問題について。
地域主権、自主自立という掛け声とは裏腹の分配型システム(いわゆる国のひも付き)
合理的に行動すれば自らの首を絞める現状では財政分権が進まないと指摘。そりゃそうだよね。

・外山公美
「地方政府組織の多様化方策」
「行政への民主的統制とアカウンタビリティ」
アメリカやカナダにおける地方政府やシティマネージャー制度についての考察。
パブコメやオンブズマンについての現状。
マニフェストサイクル推進派としては外部評価制度についての論評を期待した文脈だったが、目立った記載なしでガッカリ。

・岩井奉信
「地方政治から日本を変える?~挑戦する首長たち~」
改革派といわれる首長、高知県橋元知事・三重県北川知事から行動派と呼ばれた首長、宮崎県東知事、国会議員・完了からの転身組などの系譜と考察。
いわゆる名物首長の選挙、メディア戦略や功罪などが書かれて面白い。
そつなく話題の橋下知事にも触れてある。劇場型でその人気にすりよる政治には批判的な論調。ポピュリズムの脆弱性に警鐘をならしつつ、地方政治は日本政治の脇役から主役となったとし、次の新しい政治スタイルに期待を持たせる内容。

勉強になった本だが、論文なので一気に読めるという類のものでもない。
良く分からないところは読み返したり。
オマケに年末年始ということもあって読書の時間が取れず。
本ネタが月一ペースまで落ちた。次はちょっと軽いのにしようかな。

村崎議員からそのような本ならば政務調査費で購入したら?とお勧め頂く。
ありがたいお話、今後は相談させて頂こう。

しかし大村市の政務調査費は会派支給、私の所属会派は3名なので好き勝手に使うわけにもいきません。

購入した本は会派の本になりますし、市の財産。
私は線を引いたり書き込んだり折ったりする事があるのですが、それも憚られますね。
もともと本は手元に置いておきたい派ですし。

個人支給なら使い勝手も良くなるのにな・・・なんて思います。

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