検証 東日本大震災
そのときソーシャルメディアは何を伝えたか?
立入 勝義(著)
被災者の命がツイッターで救われた、という話を東京都・猪瀬副知事の講演で拝聴しました。
瓦礫に埋もれてしまい自力では脱出できない。
携帯電話もつながらない。
しかしツイッターにはアクセスできた。
SOSのツイートをロンドンにいる親戚(友人だったかな?)が見つけ、国際電話で救急隊に連絡、助け出された、という。
その話を聞いた帰りに書店で手に取った一冊。
東日本大震災、地域によって差はあれど甚大な被害を受けた場所は殆どのライフラインが毀損した。
避難、救援、支援、どれをとっても情報が必要なのだが、震災直後は電話は繋がらない。
しかしスカイプ、ツイッター、フェイスブック等は連絡手段として機能したという。
日本のインターネットインフラの耐性が証明され、ソーシャルメディアがライフラインの一つとして確立した事象でもあった。
本書はツイッターを中心としたソーシャルメディアが震災、とくに諸外国からの復興支援に果たした役割や新しいメディアとしての可能性、そして光と影の部分をまとめてある。
また著者はアメリカ在住ということで、外国からの復興支援についても紹介。
日本人として、どんな話も心が温かくなり、時に涙する。「Jazz for japan」を買ってみようかな。
NHKの中の人の決断「私が責任をとります」もカッコ良すぎです。
今回の一般質問は防災行政がテーマ。
ツイッターの活用なども提言したいところだが、ソーシャルメディアの影の部分
・玉石混合の情報の波
・デジタルデヴァイド(谷)ならぬソーシャルデヴァイド
この2点をどう超えていくか、というところが命題だろうか。
30代後半、いわゆる団塊Jr世代は谷底にいると考えても良い。
ツイッター広報担当は、ツイッターが三つの特徴(ダイレクト・リアルタイム・ハッシュタグ)を持ったライフラインとして確立した、と鼻息は荒い。
私もよくツイートしているし便利だなと思う。発見の楽しさもある。
非常時には有用である事は間違いない。運用には注意を要するが、果実はそれを超えて余りある。企業も活用しているし自治体の公式アカウントも増えつつある。
”なりすまし”を防ぐセキュリティも確立されているようだ。
使わない手はないだろう。
しかしそれは、あくまで通信を補完し「自助と公助」の手段の一つに留まるのではないだろうか。
重要なのはリアルなソーシャルネットワークにおける共助「向こう三軒両隣」という助け合いと思いやりの心「共助」を普段から共通認識としておくことだ。
ただ、それについては私は楽観視している。
世界を感動させたといわれる日本人の行動が証明している。
被災者が暴徒化せずパニックにもならない。物資の配給には整然と並ぶ。
レストランでは一旦に避難したものの、揺れが収まると店に戻り停電した中、電卓での清算を粛々を行う。
犯罪は皆無では無かったようだが、窮地に陥った時の被災者の皆さんの行動は世界中で美談として取り上げられた。
「ヤシマ作戦」もその一つかもしれない(エバ世代じゃないので最初は何のことやら分かりませんでしたが)
今私たちにできることは、普段通りの生活をし消費をする、規範と考える行動を実践し、己を律する。そして心の片隅に被災地の事を置き続ける。
またボランティアにでも行きたいもんです。
あの老夫婦はお元気だろうか。