経済超入門
ゼロからわかる経済学&世界経済の今
ニューズウィーク日本版編集部
経済学初心者の為に、という事で紹介されていたので購入。
入門というだけあって網羅的な内容だが、よく耳にする経済用語や偉人はしっかりと押さえてある。
前半は勢いづいてる?池田信夫大先生がメインで座学的な内容。後半はニューズウィークらしく数人の外国人記者と国際ニュースの解説で池上彰。さすが週間子どもニュース、氏の文章は初読みでしたが面白いですね。
全体的に軽めでとっても分かりやすい本でお勧めです。
マルクス主義の復権にも触れてあるが、それを採用した国家は独裁となり社会を機能不全に貶めてきた。共産主義が奪った命は1億人と推計されている。
現代のマルクス主義者はそういった事を避けながら社会を変えることが出来るはずだという。しかしマルクス自身が資本主義の驚異的な力を認めている。
市場の失敗により自由資本主義に背を向けようとする人々が増えたのは、その失敗から未だ立ち直れていないのかもしれない。特に日本はもっと時間がかかるだろう。
ケインズのニューディール、いわゆるバラマキでも失業率は改善せず、効率的市場仮説はグリーンスパンとともに敗れた。
今は行動経済学だという。
人々は現状維持バイアスに捉われ、しばしば非効率的な判断をする。
それが「経済は感情で動く」という話になるのかな。
「陰気な科学」と言われる経済学。
巻末には近未来予測のショートストーリー
我が国の将来のことを考えると陰気になりますね。
それではどうすれば良いのか?は学派の主張により異なる。
どうすればよいかが分かる訳がない。
占いみたいなもんだ。
ただ、今のままではダメだ、という空気は広がり始めているのだろう。
現状維持バイアスから抜け出し、創造的破壊=イノベーションを人々が求め始めてからでは間に合うのはどうか分からないが。