日本経済の真実―ある日、この国は破産します
辛坊 治郎 (著), 辛坊 正記 (著)
経済関係の本は当たりハズレが多い。
専門用語そのままに難しいことを難しく書いてある本もあるので、私ぐらいのレベルだと勉強だ!とテンション下げずに読まなければならないことも。
しかしこの本は違う、めちゃめちゃ分かりやすいです。
選挙前でかなり時間的にはタイト、それでもスルスルと読めてしまいました。
かなり単純化されすぎている話かもしれないが、これくらいで丁度良いのでは。
この国の経済がかなり綱渡りであることは薄々皆さんも感付いている筈だ。
アレもやりますコレもやりますな政策ではその内大増税&社会保障カット、もしくはディフォルトで経済パニック・・・との前にIMF干渉かな。とにかくマダマダどうにかなるだろう、なんて思ってたら大間違いですよ。
それではどうすれば良いのか?
大型インフラ投資は暫くストップ、民間需要促進の内需拡大を図りつつ、大企業やミリオネアが国外逃亡しないように懲罰的税率を緩和。
成長分野に集中投資&規制緩和、政府は金は出しても口を出さない。
労働市場の流動化、教育投資、子育て世代へのバウチャー政策。
勤労意欲をそがない最低限のセーフティネット整備、移民政策ってところなのではないでしょうか。
しかし政治家には選挙という洗礼が。
そして有権者向けの話をしなくちゃならないという足枷をはめられる。
有権者の政治リテラシーを上げる為にはマスメディアの役割はつくづく大きいな、と。
ただ破綻で日本経済が丸焼けになったほうが、新しいチャンスも広がるのかも。アジア危機を経験した韓国のように、なんて思ったりして。
「辛抱強い国民性」「ハングリー精神の減退」というブレーキがしっかり効けば、ヨーロッパのような長期成熟(もしくは成長減退)社会になるのだろうか。
経済学を通した憂国の書というのは褒めすぎか。
ブータンのGNHが素晴らしいなんて言ってる人に是非読んで頂きたいですね。
オススメの一冊。