持続可能な社会づくりと読書

持続可能な社会づくりと読書〜「利他」で考える読書推進計画の試論 太田 剛
未来の図書館研究所 調査・研究レポート第5号

長崎県の読書活動推進については県議会一般質問にて取り上げ、幾度も議論を重ねてきました。

著者は、全国津々浦々の図書館づくりや、子ども読書活動推進計画に携わってきた経験から「読書そのものが目的になっていないか?」という違和感を抱くようになったとのこと。

そこから「読書」は「教養」であり「利他」の考えを取り入れることで、読書の新しい未来を創出しようと言う試論です。

読書活動推進計画の出口を読書に止めず多様化することを提唱。
具体的には、5種類のコースウェアを設定し、読書を促していくモデルを構築しています。

落語「文七元結」の吾妻橋が図書館の役割である、とも読み取れる主張は興味深い。
著者自身が結びに「論考が生煮えである」と吐露しているように、このレポートからは読書、教養、利他を繋げる明快な「解」を得ることはできませんでした。

私は読書文化活動であり、人生の旅の形の一つだと考えています(調査研究は別)
文化にそもそも明確な解を求めることがナンセンスだと思いますが、税が原資となる行政が絡むとそう断じれない難しさに直面します。

様々な気づきを得たレポートでした。
ご紹介頂き感謝。

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