7月の本ネタ

海後宗臣著作集 第十巻 教育勅語成立史の研究

帝大学教授であった著者(1901-1987)が発表した明治以降の教育史についての全十巻の最終巻。
全800ページの大著、価格も8,800円と重量級(しつこいようですが私費)

「教育勅語の真実」を超オススメしておりましたが、必ず反論があるはずだと研究文書を探してたどり着きました。

本書では教育勅語の前史を紐解き、教学聖旨、教育義、教育義付議の一連の背景と明治天皇の以降と、それを取り巻く政治家も含む官僚達のスタンス。
勅語草案は中村系、元田系、井上系と分類され修正や廃案、採択の変遷から下賜までを詳細に記してあります。

特に井上毅が中村正直を排撃せんとする書簡はかなり興味深い。
開明主義、立憲主義をとる井上が、耶蘇教であった中村案(いわば同類?)の批判を通して自己の思想を確立したのではないだろうか、なんて。

巻末の資料も豊富。

それを収集、分析するには足腰が強くないと行けない、という言葉に得心。
全国を飛び回って文献を探し、自筆にて写し、体系づけていくという作業。

デジタルに慣れきった私たちには想像を絶する。
ネットサーフだけじゃ浅すぎるってことだ。

痺れたのは、勅語を軍国主義の根拠としてとして批判した論文と正反対の論文を対比させて掲載しているところ。
そして己の主張でまとめることはしていない。これぞ研究者、という潔さを感じます。

ちなみに私、暗誦できます。
書けるようにもならなきゃな。

社会保障亡国論  鈴木 亘

鈴木教授の本は数冊読了しているがこの本かなーり尖ってます。

前半はこれまでの主張の復習編といったところ。

・社会保障費の世代間格差は8000万円
・消費税で賄うならば30%以上に
・年金支給年齢を70歳以上に&賦課方式から積み立て方式へ

てな感じ。概ねコンセンサスが取れてきている主張かと。

中盤からは与党野党に関係なしで政権・官僚批判のオンパレード。
タイトルに合わせたというべきか。
とがりずぎててちょっと心配になるレベル。

ステレオタイプな現状論やちょっと現実とかけ離れてるなーというくだりもあり。
社福悪玉論やジョブカード活用論、労働市場の前提にはかなり疑問(つーか明らかに間違ってる)
私も社会保障関係の事業者なのでいろいろと思うところありです。

後半は処方箋。目新しい政策は乏しいとしながらも「貧困の罠」を防ぐとする生活保護改革については興味深かった。
凍結貯蓄と人件費補助はイケるかも。

給付付き税額控除制度の導入を謳うなどフリードマンに拠している政策が中心でした。

「正しい情報は無料でその辺に転がっているものではない」

には納得。まずは情報公開、でしょうね。

今月は2冊

コーディネートが3本入ってたし~
一冊目に時間がかかったし~

・・・言い訳申し訳ありません

8月こそは!(またかい)

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