大村湾をきれいにしよう

大村湾をきれいにする湾沿岸議員連盟の研修会に参加。
”斉藤 直”工学博士の講演を拝聴してきました。

演題は
「大村湾の環境修復に向けたシナリオ」
~石炭灰造粒物による環境修復技術~

琴の海と言われる大村湾、言わずと知れた超閉鎖性海域です。
閉鎖性海域は全国に88団体あるそうですが、その閉鎖性の高さからか会長は大村市なんだそう。

市長は汚染汚濁を改善するために大村湾をモデル地区にして欲しいと国に要望をされているそうです。
大村湾汚染の65%生活雑排水が原因、なにも大村市だけの問題ではなく、沿岸自治体すべてがベクトルを合わせないと改善しない問題です。そんな呼びかけもあってか80人から148人に議員連盟の会員が増えました。嬉しい事ですね。

博士の講演は化学式連発ではっきりいって素人の私には何が何やらサッパリ。
しかし実例を多く紹介されており、石炭灰造粒物が自然本来の浄化作用を取り戻すための呼び水となり、効果が上がっている、という話は理解できました。

ようは石炭を燃やす火力発電所から出た灰を加工し、軽石みたいなものを作って、海中に敷き詰める。すると貧酸素が改善し、自然本来の浄化作用が回復するという手法だそうです。

大村湾の水質はまだ「手遅れ」になっていない、という話でした。
(手遅れになった地域の改善事例も動画で紹介されていましたが、ありゃ大変だ)

今のうちに、しっかり調査をやって処置をしたほうが良いのではということでした。
勿論生活雑排水の水質改善(下水処理施設の高度化)もセットで、です。

以下メモ

造粒物実験は広島大学、島根大学で実践している。

1、大村湾の現状

海水交換が悪い、干潟・漁獲が少ない
昔は綺麗だった。汚染の流入が少なかった。干潟があった。バランスが崩れている。
公共下水道の排水基準と環境基準の違い。排水基準は環境基準の80倍~100倍で設定されている。
下水の処理能力に合わせてある。高度化は自体は難しい。

生態系のバランス。特に大事なのは干潟。泥に酸素が入ると浄化される。貝類の浄化作用など。

綺麗にする=生物を回復して豊かな海にする。干潟が減っているところが汚れている。

全ては泥から。無酸素で汚れる。悪循環が起こっている。水底の泥を改善する。

大村湾はワースト5(5の中で面積はトップ)しかし流入負荷や海水交換はそんなに悪くない。まだ間に合う。

海底に堆積した泥が問題。最大の課題は海底泥から発生する硫化水素による貧酸素水塊。

全国的には
(小規模な水域)
・水流供給・海底耕運・エアレーション・マイクロバブル

(大規模)
・浚渫・覆砂・水酸化化合物(アルカリ)の散布等

硫化水素は地中5cmぐらいでおこる。
浚渫・覆砂、やってもしばらくすると無駄になる。覆砂の耐用年数。砂より造粒物のほうが効果は長持ち(永遠ではない)

大村湾の一番の課題は嫌気条件。水底の環境改善。生物がすめる水底にする。

2、Hiビーズの水環境修復特性とその活用事例

石炭灰から出来ている。発電所の灰の有効活用。

・硫化水素を吸着する。・活性炭の倍ぐらいある・ヘドロの有機分分解・生物の生息環境を整える。

水につけると分かるが、粒子間空間が60%ある覆砂が出来上がる。
酸素を放出してくれる能力をもつ。安全性も問題無し。海のものは口に入る、貝類の飼育などで実証。生物が住み着く。
環境省が認定。広島湾で実験済み

福山市福山内港、スカムと青塩、住民が息を止めないと通行できない最悪の状況。
中国電力、広島県、福山市と実験。ガスがなくなった。100が0.5へ。しかし下水整備をやらなければ抜本的に解決できない。

生態系を創造する、Hiビーズには珪藻・海藻類が付く。山砂は数年たつと元に戻ってしまう。

3、大村湾の水環境修復の提案(シナリオ)

湾は大きいが地形的に不利。水底の環境を修復する事。
まだ危篤状態ではない。今のうちに手を打っておく。福山市は危篤状態。
漁業・水産業の再生が、大村湾再生のカギ。

最後は生物生息による自浄作用にバトンを渡すことができないとダメ。アルカリ化で硫化水素を抑えると生物が生存できない。

まずは水底の十分な調査。改善水準の決定から施行(どこまでやるのか?という目標設定を明確に・海水浴・漁業etc)

万能ではなく、時間と共に効果は落ちる、その前に自然本来の生物浄化に結び付け浄化作用を永続化する。

質疑

どれぐらい必要?どのくらいのコスト?前提となる泥の調査が必要。覆砂は20cmぐらい。1立米@4,000円、1平米@800円ぐらい。
砂が1立米2,000円~3,000円。

単体では難しい、国への要望先は環境庁?農林水産?
産業に持っていかないといけない。水産・観光・漁業に繋がる所に。環境庁は環境の改善、保全だけ。
川には有効か?流れ込むもの(下水)の水質が問題。川は流れているので即効性は薄い。

・・・

大村湾の面積は321k㎡。全体を一気に覆うとすると単純計算で2,568億円。ちょっと現実的ではありませんね。
ただ今すぐ全面覆わなければならないような危機的状況ではありません。

水底調査を行って硫化水素が発生している部分だけを覆えばよいのですから、そんなに掛からないかもしれませんね。

琴の海と称される、私達の財産、大村湾。
私もこの海を見ながら育ちました。

小さい頃はしょっちゅう釣りに行ってましたし臼島まで泳いで渡ったのは懐かしい思い出です(疲れ果てて帰れなくなったところを漁船に助けてもらった)

もうすっかり御無沙汰ですが、船舶免許を取ってウェイクボードを楽しんだりしてましたね。いまでも実家には新城の魚売りさんが来てくれます。

この海を守り育て、次の世代に繋いでいくことが私達の使命です。
その上で大村湾を活用した、大村ならではのまちづくりができれば最高ですね。

研修会終了後は東彼杵町議会との懇談会。
話題の中心は新幹線。工事が始まったことによって様々なネガティブな影響がでているとのことでした。

ツール・ド・大村湾、うーん楽しそうだなあ・・・

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