先週末の事になりますが、長崎県中小企業家同友会の経営フォーラムに参加してきました。いわゆる県大会のようなものですが、昨年に続き今年も素晴らしい内容でした。
まずは分科会、私は第一分科会に参加。
報告者(いわゆる講師)は久留米に元禄12年から300年以上年続く 若竹屋酒造場 の14代目社長、林田浩暢氏。
とにかく素晴らしかった。つかみは御夫婦ラブラブのろけ話でどうかと思ったが、本題に入ると人が変わる。エモーショナルでありながら様々な手法の経営分析に裏打ちされた講演。
内向的でいじめられっ子、学識者であり地域の名士である親へのコンプレックスの塊で無学な自分(失礼、本人談です)が東京でのサラリーマン生活を経て歴史ある酒屋の跡継ぎへ。
開けてみれば10期連続赤字のドンブリ経営、12億の負債を抱え今にも破綻しそうな状況。
絶叫修行トランス系セミナーを受け続けるも改善しない業績と社員のモチベーション。
「会社を潰してはいけない」
その為には数字、ひたすら数字を追いかける。
経営分析(SWOT・ABC・移動年計・ポートフォリオ・知の共有サイクル…etc)を学び続け経営計画を練り上げる。
会社が破綻しない為の利益から逆算された業績とコストダウン。
その計画を実現するために始まる「経営ドラマ」
聞くも涙、語るも涙で最後は私も貰い泣き。
お約束な内容かもしれませんが、全て「会社を守ろう」と戦力で戦っている社長の社員の真実の物語。
真実は心を揺さぶります。
経営分析理論というと何やら小難しい話のような気がします。
そんな分析理論を、具体的に分かりやすく、そして情熱的に語る講演。
理論を体得していないとできる事ではない。
90分はあっという間。他の参加者も手放しで絶賛していました。
近年拝聴した講演ではベストかもです。
その後のグループ討議も盛り上がりました。
社長の”熱さ”が伝播したんでしょうね。
続いて記念講演、講師は「富士市産業支援センターf-Biz」センター長の小出宗昭氏
お上の産業支援と聞けば、箸にも棒にも・・・なんて役に立たない、成果が上がってない、という印象が一般的なのではないでしょうか。
そんな中でも気を吐いているのが同センター。
氏は銀行マンからの転身。月平均140件の相談業務をこなし、10年で750件以上の新規事業立ち上げをサポート。世界的に注目を浴びた商品も手掛けているそうです。
事業者が気づいていない強みをメディアを通して、様々な接点を繋げながら販路を開拓していった数々の事例を中心とした講演。
とにかくクレバーだなあという印象。
現状ではリスクを取らずにチャレンジすること、という話が印象的でした。
縮小する市場の中で中小どころか零細企業が今やることは大きな投資ではない。
改めて自分の周りを見回して何か使えるモノはないか?応用できるものはないか?と探すこと。
やれることは幾らでもある。そして「やってみなければ分からない」という不変的な事を、訴えられていました。
懇親会はノンアルコールで帰ろうと思っていましたが、彼の作ったお酒を飲まねばらぬ、ということでしっかり味あわせて頂きました。何本か頼んでみようと思います。
経営はドラマチック。
私も経営者として、政治家として、気付きを沢山頂いたフォーラムでした。