中小企業振興条例で地域をつくる―地域内再投資力と自治体政策
岡田 知弘 (著) , 渡辺 純夫 (著), 西尾 栄一 (著), 川西 洋史 (著), 高野 祐次 (著)
14日の一般質問、中小企業振興条例を取り上げます。その参考にとご教示いただきお借りした本。
読了したら付箋だらけになってしまった。借りものなんで折れないし線が引けませんからね。しかし大変参考になりました。ありがとうございました。
全国で制定が進んでいる中小企業振興基本条例条例
冒頭は地域内再投資力についての岡田氏の論文。そして全国の制定事例などについて。制定の発端や経緯が書いてあります。
全国初で制定した墨田区から、中小企業家同友会がリードした帯広市、ヨーロッパを参考した千葉県。民商がリードした吹田市、そして関連資料など。
私はコミニュタリアン(最近自覚した)だが、ミルトン・フリードマンや池田信夫に代表されるリバタリアズム育ち、グローバル化した経済原理を看過することはできない。
経済は通貨と価値の争奪戦だ、必ず競争が生まれる。
なので冒頭の論文である岡田氏の政治的スタンス、経済的ビジョンは狭猥であると、あえて批判したいところ。
政治スタンスを絡めなきゃ氏の主張は得心できるところが多い。
しかし
コイズミ構造改革が・・・
投資ファンドが・・・
市場原理主義の・・・
消費税は減税・・・
氏の論文は地域内再投資力に絞った書籍を拝読したことがあるが共産主義者かと見紛うた。グローバル化に目をそむけ鎖国でもするならば話は別だが。
経済には大きな輪と小さな輪があると思う。地域経済と世界経済だ。
地域経済を守るというスタンスで考えれば岡田氏の考え方や振興条例の目指すところはかなり同意できる。
私も議員として市の条例制定に力を注ぎたいし、地域の経済を少しでも良くしたいと思う。
しかし大きな輪、いわゆるグローバル化した世界経済が地域に与える影響をシャットアウトすることはまず不可能だ。
あなたが着てる肌着、車のガソリン、PCが何処で生産されているかを考えれば分かるはず。
地域経済という小さな輪を守り、育てながら、世界経済という大きな輪とリンクしていく、という事を念頭に置かねば氏の主張はミスリードとなるだろう。
生産構造、産業構造の転換が出来ず、労働市場が硬直化、公的資金で企業救済を繰り返すゆえに日本の経済力は減退しているという主張には説得力があると考えている。
私はリバタリアンだと思ってましたが、最近はスゥェーデン・モデルと呼ばれる経済が一番しっくりきます。高負担・高福祉と厳しい競争のバランスが良いのではないかと思います。パラドックスもあるみたいだけど今読んでますので読了してから別に書きます。
まあ批判は置いといて、制定事例に共通しているのは「丁寧さ」そして「地域らしさ」をじっくり考えているところ。
どっかの条文もってきて制定、というプロセスにはしたくないですね。
時間をかけて市民と行政が向かい合う、協働するべきでしょう。
私の一般質問はもう明後日。なんか時間が足りない感じ・・・
次は既存民間住宅の借上公営住宅化ガイドラインだ。