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学生NO.16115012:北村貴寿

非営利組織の経営 P.F.ドラッガー
第Ⅱ部 第1章 マーケティングと資金開拓

●非営利組織のマーケティング
・非営利組織は単にサービスを提供するのではなく、サービスを提供することによって人を変えようとする。
・学校の場合、習慣、ビジョン、コミット、知識を与えるのではなく、一体化しようとする。一体化することなく、成果をあげることはない。
・非営利組織にはプランニング、マーケティング、人、資金の四つが必要。かつて非営利組織にはマーケティングは必要ないとされていた。
・マーケティングとはまず、マーケットを知ること。マーケットリサーチ、次にマーケットセグメンテーション、そして提供するサービスの受け手の側に立つこと。
・非営利組織のマーケティングは企業とは内容がかなり違う。非営利組織は目に見えないもの、顧客にとって価値のあるものを提供する。
・非営利組織のマネジメントには、構想の段階からマーケティングを組み込んでおくことが必要。
事例:アメリカ癌協会
募金の為に詳細な人口統計を使用。医師の協力を得るために諮問委員会を使う。マーケット志向で、提供すべきサービスを設計してから売り込むということはしない。
事例:コミュニティ・チェスト(アメリカの共同募金)
やみくもな募金活動はせず、マーケット主導。地元の企業が募金の窓口となる。常に募金方法、協力企業、協力団体の見直しを行う。雇用状況にも注意している。

・非営利組織のマーケティングにおける原則
1、 強みへの集中。不得意なことに手を広げてはならない。
病院:何度の高い手術には経験が必要。年間200以上の執刀実績がない病院では心臓バイパス手術は受けない方が良い。
大学:何でも教えられることが問題。成果の期待ができない分野に貴重な資源を注ぐべきでない。
2、あらゆる関係者を知ること。非営利組織には何種類もの顧客がいる。
石鹸メーカー:スーパー、主婦
ボーイスカウト:親、子供、ボランティア、地元の学校
・非営利組織にとってマーケティング戦略は基本。マーケティング上の責任(=顧客を中心に置く、顧客にとって大事なことは何か)を果たさなければならない。

●資金源開拓の戦略
・非営利組織の資金源は募金であり、企業や政府と異なる。資金不足は宿命。
・寄付集めに忙殺されては、存在意義が危うくなる。ミッションを募金に従属させない為に、資金源開拓の戦略が必要。
・募金=ニーズの大きさを訴え、金を集める。資金源開拓=ミッションが持つ価値によって、資金を拠出する支持者や活動に参画する仲間を開拓する。
・資金源開拓の主役は理事会のメンバー。趣旨に賛同するだけの理事ではなく、自ら資金源となって資金源開拓の先頭に立つこと。
・理事会の役割
1、 使える資金と活動のバランスを図る。この役割が果たされてこそ、非営利組織は堅実な歩みが可能となる。
2、 資金は寄託されたものであり、目的のために使われているか確認する。
・かつて非営利組織は財政的にかなり自立していたが、現在は資金源開拓が必要。金持ちが昔のような役割を果たせなくなっている。
・非営利組織は自ら範となりつつ、裾野の広い資金源開拓にリーダーシップを発揮する理事が必要となった。
・地震、アフリカの飢餓、ベトナム難民等、緊急支援は必要だが、情緒的な支援は既に限界。悲惨な話が多く、無感覚になる「同情疲れ」も起こっている。
・資金源開拓は理性に訴え、長期的な支援の基盤を築くことが必要。成果を定義し、寄付者に報告し、納得してもらう事。
・寄付する者は非営利組織が行おうとしていることを理解しているとは限らない、と認識すること。成果を認めてもらえるように情報を提供すること。息の長い基盤づくりが必要。

事例:クレアモント大学
1920年代、当時の学長が大学ニーズの高まりと資金需要の増大を予期。そこで、多くの企業を創業、数年かけて軌道にのせた。そして、優秀な卒業生に当時は大金だった一万ドルを付し、企業を任せた。「この会社を育ててほしい。何も返してくれる必要はない。ただ大学のことは忘れないでほしい」と言った。こうして強大な支持層を構築。20年間は成果が無かったが、1000倍になって返ってきた。今日、クレアモント大学グループの財政状態は比較的良好である。

・資金源開拓の理想は、長期の資金源となってくれる人を開拓すること。非営利組織への支援を自己実現の一つとしてくれる仲間をつくること。

第2章 成功する戦略
●行動志向の戦略
・非営利組織には戦略が重要である。ミッションとプランは意図にすぎない。戦略が意図を行動に変え、忙しさを仕事にかえる。いかなる資金と人材が必要かを明らかにする。
・戦略は軍事的な匂いがするが、プランは知的な遊びに終わることが多い。プランをつくっても実際に行動しなければ何も変わらない。戦略は行動志向であり、期待するためのものではなく、働くためのものである。

事例:ブラウン大学
1970年頃、同学は「ハーバードの妹」と呼ばれていたが、普通の大学で特色は無かった。学長が変わり、リーダー的な存在となるため二つの目標を立てた。
1、女学生に地位を与える。
2、大学の運営を身近なものにする。
この二つの目標を実現するため戦略を立てた。学長が行ったことは、キャリア志向の女性増加とコミュニティ志向というマーケットの変化を認識し、女子のものではなかった分野の各学科に積極的に女子学生を入れるといった具体的な活動を展開した。やがて同学は東部の優秀な高校生にとって人気のある大学になった。

●改善のための戦略
・アメリカは日本と違い、既にうまくいっていることをさらに改善するという戦略を軽視する傾向がある。
・日本でイノベーションの為の戦略は発見できなかったが、企業、大学、政府機関のいずれもが、改善のための戦略を持っており、退屈な仕事も大改革にも改善のための戦略が立てられていた。
・改善のための戦略では生産要素ごとの戦略が必要。
・第一の生産要素は人。激しく働かせるのではなく、いかに賢く働かせるか、いかに人を配置するかが問題。
・第二の生産要素は資金。同一の資金からいかに多くのものを生み出すか。資金は常に不足した状態である。
・第三の生産要素は時間。
・野心的な目標が必要。目標はばかげているといわれない程度に、しかし、かなり頑張らなければならない程度に高く設定しなければならない。
ケネス・クラークの言葉(偉大な黒人リーダー・ニューヨーク市立大学の心理学者)
人は目標の半分しかできないのだから、目標は倍にしておかなければならない

・機能しなくなったものの廃棄が含まれる。人の手になるものはすべて陳腐化するので、置き換えなければならない。

●定性的な目標設定
・非営利組織では評価の尺度が難しい。量的な目標は設定できなくとも、評価することができる定性的な目標は設定できる。
・質的な尺度は量的な尺度と同じように重要である。質を伴わない量の増大こそ最悪であって、失敗以外の何物でもない。
・定性的な目標もミッションごとに異なる。

例:教会
A:大きな信者層をつくる=誰でもよいから教会へ来させる。
B:少数であっても最後の日の為の堅固な信者層をつくる=信仰が堅固な特別の人を増やす。

●戦略のステップ
・戦略について目標の次に考えるべきは成果。目標はミッションに基づき、状況に合致しなければならない。そして、マーケットをセグメントし、それぞれセグメント用のサービスを考えなければならない。
・目標を明確にし、ターゲットと成果を示さなければならない。その為には多くの戦略が必要になる。

事例:アメリカ心臓協会
募金先を41のターゲットにセグメント。ターゲットごとにマーケティングの戦略をつくっている。そして、資源(人材・資金)のマーケットごとの配分が必要となる。

・加えてコミュニケーションが必要。誰が、いつ、いかなる成果をもたらすために何を行うか明確にしておくこと。その為にはいかなる道具、いかなる言葉が必要か明らかにする必要がある。仕事として誰が、何を、どれだけ、いかにするかである。
・いつまでに成果を出すかを検討すること。焦ってはならないが、予定どおりかどうかはわかるようにしておかなければならない。フィードバックとと定時点検が必要である。
・これらのステップはあらゆる非営利組織に共通のものである。組織の違いによって方法に若干の差があるだけである。

●気をつけるべきこと
・ステップを踏んでいく為には、文書によるコミュニケーションと口頭によるコミュニケーションの双方が必要である。
・文書であれば必要なもの全員に配布し、理解度の確認、説明することも質問を受けることもできる。
・聞くことを促すことも大事。この段階では文書より口頭の方が良い。誤解も避けられるし、リラックスしたコミュニケーションができる。
事例:ザ・ネイチャー・コンサーバシー(1951設立の世界的自然保護団体)
この非営利組織の戦略は、①保護が必要な場所の選定、②その場所の購入に必要な資金調達、③その場所の管理。募金のマーケットはそれぞれの地元が中心、州ごとに支部を設けている。保護区域の設定目標は年15、野心的だが明確であるからこそ目標は達成されている。

・戦略に関して一つだけしてはならないことがある。意見対立を理由に目標設定を逃げることはしてはならない。

事例:眼科で有名な病院
眼科医たちは治療上の理由から院外に専門クリニックをつくり、手術部門を移そうと考えた。しかし病院の理事会はベッド稼働率を下げるとして提案を却下した。嫌気がさした眼科医は止め、ほかの医師たちも止めた。評判もベッド稼働率も低下し、病院は身売りされた。

・戦略の実行については妥協が必要とされることもある。しかし、目標に関しては妥協も二股も許されない。
・違うマーケットに同一のメッセージを持って乗り込んではならない。
・非営利組織において不足しているのはアイデアではない。不足しているのはそれらのアイデアに実を結ばされるための意欲と能力であり、必要とされているのはイノベーションのための戦略である。

●イノベーションの機会
・成功している非営利組織は新しいものの為に組織されている。機会が誰の目にも見えるようにしている。同時にイノベーションの機会となるものを組織の内外で体系的に探している。
・絶対確実な戦略がある。すべてが見事なほどうまくいっているときに、組織の方向付けを変え、組織そのものを変えることである。
・大事なことは、すべてが順調な時に「さあ改善しよう」等と皆が嫌がるようなことを平然と言うものがいるかいないかである。
・この15年間にうまく機能しなくなった大手の非営利組織のほとんどが、成功して油断したために下降線を辿った。
事例:アイゼンハワー時代の労働組合、シアーズ・ローバック
アイゼンハワー時代の労働組合は怖いものなしだったが、現在では見る影もない。下降線を辿り始めたのは改善を促す人々を追い出した為である。
20年前のシアーズ・ローバックは流通の花形であり、アメリカ人の7割に支持されていた。しかし、自己満足に陥って流通市場の変化を無視した。
うまくいっているときほど「もっとうまくやれないか」を考えなければならない。

・改善の戦略においての原則は成功の追求(=うまくいったものをさらに改善すること、変えること)である。組織風土や姿勢に係るすべての責任はトップにある。
・イノベーションを行うには外を見なければならず、外に変化を見つける癖をつけなければならない。内を見るより、外を見る方が易しく、賢い。

事例:大学と教会
大学:進学人口が減少するなかで、受験者を増やし、質を向上させた。学長と入試部長が高校を回り、高校生の意識の変化を掴んだだけのことだった。
教会:高学歴の知識労働者の増加に目を付けただけで発展を始めた。

・外の世界の変化こそ機会。外の世界を知るには通勤ルートを変えたり、人口統計を眺めたりすることでもよい。その後に組織の中を見て、取るべき変化の方向を教えてくれるものを探さなければならない。
・その最たるものが予期せぬ成功である。ほとんどの組織が予期せぬ成功を当然のこととして悦に入っており、行動の呼びかけと受け取るものは殆どいない。

事例:20年で慢性的飢餓状態を食糧余剰国に変えたインド
インドでヨーロッパ製の原動機付自転車の販売を行ったが売れなかった。ところが原動機だけを買っていく者がいた。調べると灌漑用に使っていた。このガソリンポンプがインドに農業革命をもたらした。

●イノベーションの条件
・イノベーションに成功するための第一条件が、変化を脅威ではなく機会として見ること。
事例:カギっ子とガールスカウト
カギっ子の増加が憂慮された。働く女性の増加を機会としてとらえて、ガールスカウトがデイジースカウトを始めた。「変化を使い何に貢献できるか」を考えること。

・第二の条件は、責任者となってくれる者を探すこと=イノベーションを望み、成功を信じる者。新しいものは必ず問題にぶつかる。コミットする力のある担当者が必要である。
・第三の条件は戦略を持つこと。戦略はいろいろなものがありうる。あらゆることについてニッチの可能性を求めること。

事例:P&G、IBM、病院チェーン
P&G:新製品導入が基本戦略。最初に導入し市場を支配しようとする。リスクは大。
IBM:創造的模倣が主であり、本当に新製品と言えるものは導入したことがない。市場支配は目指しているが、一番乗りは避けている。どこが開発するにせよ、最初の製品が適切であることはまれ。
病院チェーン:一律の業態では展開せず、それぞれのコミュニティのニーズを調べ、専門病院を展開する。すべての人たちにすべてのサービスをと考えてはならない。

●犯しやすい間違い
・新しいものを始めるにあたり、誰もが犯しやすい間違いがある。一つはアイデアから一挙に全面展開に入ることである。テスト段階を飛ばしてはならない。
・自ら調べることをせずに、誰でも知っているとされていることを真に受けること。通常誰でも知っていることは20年遅れ。実際に見て試すこと。
・独善。通常イノベーションを行った者は、現実に合わせて修正することがない。新しいものには、考えていたところとは別のところにマーケットがある。
・根本的な見直しをせず、取り繕いですませようとすることである。今日のGMである。

事例:牧師のプログラム、GM
牧師:新婚カップルの為のプログラムを作った。しかし参加したのは結婚に迷っている同棲カップルだった。牧師は怒って追い出そうとした。
GM:日本車がアメリカの消費者の考えを変えたとき、GMは既に行っていることをイノベーションに要する以上の資源を投入し若干改善しただけだった。数年後はフォードに追い付かれた。フォードは何が求められているかを検討し、新型車を開発し、販売方法まで変えた。それまでの投資を無にしかねないリスクを冒したが、まったく新しい種類の競争力を手に入れた。

・少々の改善では不足し、本当に必要とされているものは何かを考えなければならない時が必ず来る。大きな転換を図るのはトップの責任である。イノベーションの戦略に唯一絶対のものがあるとは考えてはならない。
・顧客の悪口を言ってはならない。別のやり方があるかもしれない、と考えなければならない。これが我々のやり方だ、言ってはならない。
・何が必要かを考える。マーケットのどこを狙うか。顧客は誰か。どうアプローチするか。どう始めるか。知っていると思っていること始めるのは止め、知らなければならないことから始めること。
・戦略がうまくいかない時の鉄則は「もう一度行う。それでもだめなら別のことを行う」一度ではうまくいかないことが多い。そのときにはわかったことは何か考える。そうして改善する。
・二度繰り返してダメならば、成果の出るほかの戦略に移る。時間と資源は限られている。しがみついて成果を残した例外はあるが、稀である。

1600年前、聖アウグスチヌスは砂漠に教会を建てていた修道士たちに、空の教会では神もお喜びにならないと書き送った。成果が得られなければもう一度やってみる。その後はよく考えて別のことに移っていかなければならない。

第3章 非営利組織のマーケティング戦略 フィリップ・コトラーとの対話
〇フィリップ・コトラー
ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院教授。主著「非営利組織のマーケティング戦略」(1971年)

・1970年頃は非営利組織は会計や財務に関心はあったが、マーケティングについての認識がなかった。
・マーケティングはあらゆる組織に必要。非営利組織への早期導入の必要性を感じていた。

●マーケティングと販売の違い
・マーケティングを販売や宣伝と混同している。その為にマーケティングを使いこなせていない。
・マーケティングで重要なことは5つ。マーケットリサーチ、セグメンテーション(マーケット区分)、ターゲティング、ポジショニング、仕事の設計。
・宣伝と販売は必要だが、マーケティングの目的は販売を不要にすること。マーケティングの短い定義は「価値を加えてニーズを満足させること」
・顧客や消費者からスタートすればマーケティング。製品やサービスからスタートすれば販売。
・非営利組織の多くはニーズを明確に認識しているが、必ずしも顧客の立場に立っていない。問題は顧客志向かどうか。
・スタンフォード大学の募金活動は、マーケティングを手の内に入れている代表的な非営利組織。OBグループごとに幹事を決め、二回依頼状を出し、75ドル以上出してくれた人には電話によるフォローをする。相手によって働きかけの方法を変え、分類したマーケットごとに募金の方法を変えている。
・マーケティングでは働きかけた相手から反応を得ることが重要。特に反応を得たい相手には相当の働きかけが必要。

●マーケティングの三つのステップ
・マーケティングには三つの大きなステップSTPがある(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)
・ポジショニングとはマーケットに対し、自分たちの非営利組織をどう位置付けるか、どう差別化するか。あらゆる人にあらゆることを約束することはできない。
・自らの競争上の優位性を知ること。優位性は自らの強みを伸ばし、それを狙っているマーケットにぶつけることによって得られます。
・マーケットごとに違うニーズに応えることが違いを生み、差別化につながる。セグメンテーションがマーケティングの第一歩。自分の強みを誰にマーケティングするかを徹底して分析すること。
・教会はオーケストラ化が必要。求める救いは千差万別、しかしマーケティングの考え方からは、独身、離婚経験者、LGBTなどに分類したうえでターゲットを絞り込んだ方が良い。様々なグループに分類したうえで組織の一体化=オーケストラ化を図る。

●非営利組織のニッチ戦略
・狭い範囲のマーケットを探し、それを満足させる=ニッチ戦略が効果的。
シカゴの劇団:120の劇団があり、それぞれがシェイクスピア、ギリシャ劇、現代劇などに分かれてニッチを追求している。
美術館:ニューヨークのメトロポリタン美術館の代表される総合美術館は時代遅れになってきている。
病院:地域の病院は専門化=ニッチ化したクリニックに患者を取られている。
・19世紀型の大型組織は運営が苦しくなる。GMも5つに分割した方が良い。シカゴのアートインスティチュートという大きな美術館では、支援者を好みの分野別にグループ化。
・大学でもマーケティングに成功しているのは非常に狭い分野に限定された単科大学。1950年代、60年代に盛んだった総合大学は訴求力を失っている。
・非営利組織の世界でも個性化が進み、マーケットが組織やサービスの性格を決めていく。

●マーケティングが求められる理由
・非営利組織でマーケティングが活発になったのは競争が激化したため。うまくいっている頃は関心がなかったが、競争により顧客を知らないことに気づいた。
・競争に対する最初の反応は生き残れるよう祈るだけだった。しかしそれでは問題は解決しない。マーケティングに活路があると考えるようになった。
・マーケティングをやるべきはCEOかCMO。マーケティングはトップが関心を持ち、理解し、先頭に立たなければ役に立たない。実際に担当するのはCEO自身ではなく、スキルを持つ、副社長、部長クラスが多い。組織の方向付けに関わる人間が望ましい。

●マーケティングの成果を測る
・マーケティングとは人との共鳴関係をつくること。ターゲットとしているマーケットには非営利組織に対する関心や好意があり、マーケティングはその関心や好意を強化するためのもの。成果を測る方法の一つは、どれだけの人が自分たちを知ってくれたか、好きになってくれたか調べること。
・成果を測定するには目標を設定しなければならない。目標を具体的なものにするほど、実現可能性が高まる。
・多くの非営利組織がマーケティングに必要な三要素(マーケットリサーチ、セグメンテーション、ターゲティングされたプログラム)を省いて広告に入っている。順序が逆。
・マーケティング経験のない非営利活動の場合、本格的なマーケティングが可能になるまでに5~10年かかる。ところがほとんどが1,2年でやめてしまう。すぐにマーケティングを達成した気になっている。
・マーケティングは顧客と係わりを持つ者全員の仕事である。特定の職能ではなく、一つの基本的な姿勢である。
・非営利組織のマーケティングは組織自体が達成したいものを知り、組織内の全員がその目標と価値に合意し、成果をもたらすべく進み始めたときに効果を発揮する。
・マーケティングとは外の世界のニーズや欲求と、組織の目的、資源、目標とを一致させるための活動。