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先進地視察として富山市に赴き、担当者より「選ばれるまちづくり事業」について説明を頂いた。

富山市は人口42万人、一般会計1,681億、財政力0.78、面積1,241平方キロメートル、日本海側のほぼ中央に位置し、推進1,000mの「海の幸の宝庫」富山湾から3,000m級の北アルプス立山連峰までの標高差4,000mという多様な地勢と雄大な自然。古くから「薬のまち」として有名な発展を続ける街である。

国内でもいち早く「コンパクトシティ」政策に取り組み、国際的にもOECDより世界の先進5大都市として取り上げられ、多様な国際会議を誘致し海外からの視察が増加する等、ユニークな都市経営で知られる。また、平成27年3月に北陸新幹線が開通し、大都市圏との交通アクセスが飛躍的に向上し、都市の活力を呼び込もうとしている中核都市である。

「選ばれるまちづくり事業」については表題の通り所謂総花的な内容となる。都市の魅力を上げる、総合力を向上させる、ということで様々な政策がパッケージされている。視察内容は都市の公共交通機関の再編からソフト事業まで説明を受けた。その中核となる「シティプロモーション事業」について報告する。

「シティプロモーション事業」は平成21年に推進計画が策定された富山市を売り込む政策である。その内容は多岐にわたる。全国への情報発信として、雑誌「CREA、CREAトラベラー(文芸春秋・9万部、3.5万部)」「ランドネ」「山と渓谷」に継続的に特集を掲載。フィルムコミッションでは映画「剣岳・点の記」「春を背負って」での発信や映画「RAILWAYS」1300万円の出資(自治体出資としては初)ファストエンターテイメント(ショートアニメ)では「秘密結社・鷹の爪」で知られる(株)DLEに作成を依頼し「帰ってきてよぉ富山から」というアニメーションを発信している。

路面電車のラッピングや多数の著名人による文化戦略オープンカレッジ等、その他多岐にわたる政策パッケージだが、財政が豊かな自治体という事もあり相当な予算をかけて発信をしている印象である。詳細な項目は別紙資料にて確認して頂きたい。ここではユニークな印象を受けた施策を挙げる。

 

「ホッとして富山」

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東京都内の銭湯の壁画は富士山が多い。それを立山連峰に書き換えるという手法である。市長のアイディアによるものだが、都内の銭湯経営者は富山出身者が多い、という関係性があるとのこと。

 

「孫とおでかけ事業」

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説明担当者から不公平な事業と言わしめた事業。高齢者が孫を連れてでかれば市内15施設の入館料が無料になる、という手法。高齢者の外出支援に繋がっている。また、館内の子供向けおもちゃの売り上げが5倍になる等、祖父母の心理を突いた政策だ。砺波市と連携を開始したとのこと。

 

「花Tramモデル事業」

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これも市長のアイディア。市内の花屋で花束を買うと路面電車が無料になるという手法。華やかで明るい空間づくりを目指しているという。市内ではガラスをメインにしたアートのまちづくりも進めている。「CAサミット」旅行経験豊富なANAのキャビンアテンダントをまちづくりアドバイザーとして就任させている。その他にもアッパー層向けラウンジでの情報発信等、ANAとの関係は強いようだ。

 

所見(事業採択の可否も含む)

財政的に豊かな都市であり、大村市と比べると一般会計、人口共に4倍。視察した事業をそのまま採択する、という訳には行かないだろう。質疑の中で際立ったのは「市長のリーダーシップ」である。富山市長は国際派であり海外視察が多い。多様な国際会議を誘致してくる実績があるのだが、同時に国外で感化されたアイディアを事業構築に活かしているとのこと。市長が海外視察から帰ると担当課長はいつも冷や汗をかいているそうだ。豊かな財政を背景にかなり自由な発想で先進的な政策を実行しているように感じられた。ポスターや名刺のデザインセンスも「行政っぽさ」が少ないようだ。議会との関係についても質問したが、良好であるとの事だった。「カネが無ければ知恵を出せ」という言葉もある。財政的には及ばないが、大村市も自由な発想で前例のない大胆なシティプロモーション戦略を構築するべきであると感じた視察であった。

 

長野県茅野市「茅野・産業振興プラザ」

長野県上田市「サントミューゼ」については他の議員が担当します。