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宿命の子 笹川一族の神話
高山文彦

 

JCサマーコンファレンスで日本財団、笹川会長の講演を拝聴した。

800名クラスのホール。なんと会場はガラガラ。

 

JCの事業ではたまにあることだが、事業の目的や理念、手法ばかりに気を取られて審議が終了した時には事業が成功した気になっている事がある。

私も何度か経験があるが、典型的な失敗例(後輩諸君、許せ)

 

もちろん演者にとっては相当失礼な話。そして不信も生まれるだろう。

笹川会長は開口一番、JCを叱責した。
この本を読んで知ったのだが笹川一族は「無駄」を極端に嫌うのだ。

 

借りるだけでも何十万もかかる横浜のホールがガラガラな様は見るに耐えない光景だったろう。

しかしある代議士のエピソードを引き合いに、今ここにいる諸君の為に全力で話す。と語気を強めて仰られた。その気迫に思わず拍手をしてしまった。

 

講演が終わって本を買い求め、サインを頂いた。

ボートレース発祥の地である大村市から来たことを告げると「車いす市長は元気かい?」と尋ねられた。

 

卒塾したグローバルリーダー育成塾の教本に「評伝・笹川良一(伊藤隆)」があり読了していた。

最後のドン、昭和の妖怪などと言われた笹川良一の後継、笹川陽平はどのような人間かと興味があったので講演を拝聴し、この本も読了したのだが、私の先入観を大いに裏切ってくれた。

 

世界屈指の慈善事業を行う財団のトップである。柔和で温かく、神か仏かというようなイメージを抱いていたのだが、それは正反対。

一言でいえば、求道者のような厳しさを感じた。

 

私生児として生まれ、孤独と戦いながら下男生活を送り、父の借金と身内のスキャンダルやクーデターに巻き込まれながらも、世界各国の要人と対峙し、ハンセン病の制圧と人権回復を使命とした氏の生き様は、激動の一言に尽きる。

 

700ページの重厚な一冊ですが、秋の夜長にお勧めです。