市議会議員ってどんな仕事?
一般市民にとって近いようで遠い存在、それが政治家だと思います。
そんな政治家の中でも日々の生活の中で比較的近い存在にあるのが「市町村議会議員」。
そんな議員のお仕事が少しでも理解されれば、と常日頃から思っていました。
2014年12月、NPO法人ドットジェーピーのご協力をいただき、私、北村タカトシに市議会議員の仕事について聞いてもらう場を設けさせて頂きました。
題して「市議会議員って何してるの?」
今回ご協力頂いたのはNPO法人ドットジェーピーに所属している4名の大学生(2014年12月時点)の皆さんです。
about Local assembly
地方議会は二元代表制といわれています。市長と市役所の職員さんが二元の片方、でもう片方が僕たち市議会です。
補足)
市長などの首長(知事・市町村長)と議員は、その地域の住民の直接選挙で選ばれます。 地方議会では首長と議員は対等の関係にあります。
地方議会は決議機関なので、僕ら議員の採決が多数決で「賛成多数」もしくは「全会一致」にならないと何も決まらないし、物事が進まないんです。
例えば、皆さんから集めたお金を「福祉にこれだけ」「教育にこれだけ」「公共工事にこれだけ」使います、と市長側が予算を作って出してくるわけですね。
で、僕らは担当部局にいろいろと質問して、議員同士でも議論します。
そして「それは市民のためになるだろう」「まちづくりに必要だな」と合意が形成されて、採決で賛成=可決になった時点で初めてそのお金が使える、と。
なので、僕ら(議会)は決議機関、市政に関する物事を決める機関、であるわけです。
補足)
これに対して、首長は市町村の予算を調製・執行したり、条例の制定・改廃の提案及びその他議会の議決すべき事件について、議案を提出したりすることができます。(Wikipediaより抜粋)
How to become a city council member?
まず、議員になるには選挙があり、選挙に立候補しなければいけません。
市議会議員に立候補するには、25歳以上で、その土地に3ヶ月以上居住していなければいけません。
任期は4年間です。
まあ要するに選挙の洗礼があるわけですが、それがあるから「当選=有権者から信任されている」というわけです。
なので、皆さんからまちのルールづくりやお金(税金)の使い方をこの人に任せよう、という信託を得ているわけですね。
選挙にはそれなりに費用がかかります。人がたくさん集まるので、印刷物を作ったり、会場も用意しなくちゃいけない。なので、不正なお金とか、そういうのはもちろんダメですが、ある程度(お金が)かかるのは仕方がないのかな、と思ってます。
だいたい僕の場合は1回100万円くらいかかってます。もちろん街の規模などで変わってくると思います。
で、報酬なんですが、大村市の場合、月額400,000円。
いろんなものを引かれて、私の場合は手元に280,000〜290,000円が残ります。
それが議員の生活費であったり、活動の費用、たとえば活動報告書の印刷代や発送費に充てられます。
あと、ボーナスもあります。だいたい3.5ヶ月分、それを6月と12月に分けて支給されます。
使い道には結構厳格なルールがあって、会派に支給されるものなので、会派全員の活動に共通する内容にしか使えません。
なので、例えば一般質問などで使うために作成したパネルなどでも、会派全員に共通しないものなので支給されません。大村市の場合はかなり厳格にチェックされます。
なので政務調査費は主に視察に使われます。だいたい議会が開かれていない間に会派とか委員会で先進地と言われるところに視察に行きます。その費用ですね。
で、視察ですが、やっぱり行ってみないと分からないことが多いです。実際に行ってみて自分の目で見て、担当者の話を聞いてみて、それで分かることが多いですね。
マスコミで華々しく取り上げられていたところに期待していったらガックリ、なんてことも良くあります。
あと、ボーナスもあります。だいたい3.5ヶ月分、それを6月と12月に分けて支給されます。
City councilor work
議員の最大の仕事は、チェックなんですよ。
皆さん、税金を納めてるわけで、その税金を集めてきて、それが市民のためにどう使われるか、どう使われたのか、というのをチェックするのがいちばん大きな仕事かつ重要な仕事かな、と思います。
後は、例えば市民の皆さんから「こういうことを市政でやった方がいいんじゃないか」とか、例えば「もうちょっとこっちの道を拡幅した方がいいんじゃないか」とか・・
地域の方々とかから「防犯灯付けた方がいいんじゃないか」とかね、という小さな(細かな)事から、市政の将来的な財政運営はどうなのかとかですね。
たとえば借金がたくさんある場合はそれをどうやって誰が払ってどれだけ返していくのか、とかを考えて政策の変更などを求めたりします。
自分で勉強したり考えたりした政策を提案するのも、議員の仕事ですね。
「条例」というものがあるんですよ。条例というのは街の法律です。
「赤信号を渡っちゃいけない」というのは道路交通法ですよね、これは国の法律で国民全員が守る「きまり」です。
いろんな街にもそれぞれ独自の「きまり」があって、その街の市民だけに通用する法律が条令です。
大村では議会基本条例とか、中小企業振興の条例とかを作ってるんです。
大村市の事業者の皆さんがもっと経済を活性化して、雇用の場を広げていけるようなことをやるための条例、そういったものを考えて議論しながらつくったりします。
それから請願・陳情ですね、さっきも話した市民の皆さんからのお願いや要望の事です。
たとえば「ここが子供達の通学で危ないからカーブミラーを付けて欲しい」とか、そういう意見を受けてフォーマルな形にちゃんと書類に残して議会に通したりするのを請願・陳情と言うんです。
でも、そういうことをせずに、直接道路課とかに行って掛け合ったりとかもします。