注目を集めた先日の臨時議会。
第54号議案=市長減給議案は8時間のロングラン審議。
結果として委員会は4対2で否決、本会議も14対9で否決、となりました。
その委員長報告質疑や採決討論において「否決=市長不信任」という主張がありました。
私は「市長不信任では無い。減給は勇み足である。再発防止こそが重要で、失敗を恐れずチャレンジする組織を作ってほしい」という主張をしたところです。
それに対して、
「市長が出したいわゆる議案に対して、否決をするということは市長不信任のなにものでもない」
「これが本来の議員のあるべき発言であり姿である」
という発言がありました(動画の44:30~)
そして「詭弁はいらない」とまで批判されましたので、私の考えを整理しておきます。
「否決=市長不信任」という主張は理解に苦しむ、というかこじつけだと感じます。
反証してみましょう。
「市長を信任=議案に賛成」という事になります。
この主張をした議員は減給議案に「賛成」ですから、市長を信任したという態度です。
反対すれば不信任ですから、この主張をした議員は今後、園田市長は市長として不適格である、と考えない限り議案に反対することは無いのでしょうね。
私はこの主張は極端すぎる、議会の議論を萎縮させかねないものだ、と思います。
市長部局が提出した議案を精査し、自由闊達な議論を繰り広げることが重要だと思っています。
多様な視点や価値観を議案に反映させ、時には修正や否決をすることこそが、市政発展に繋がる。
「是々非々」の議論をすることが必要だと考えているのです。
すべて賛成ならば議会など不要。追認機関というそしりを免れないでしょう。
それこそ市長部局の独裁政治に繋がります。
私はこの議案について否決の立場でしたし、これまでも修正議案を何度か提出しています。
しかし、これまでのほとんど議案には賛成しているのです。
市政発展を考えれば「反対の為の反対」ではなく、「是々非々」の議論をするために、私は有権者から議席を預かっていると考えています。
減給議案についての市民の皆さんの反応は様々だと思います。
9名の議員が賛成していますから、市長に減給させよという方もいらっしゃるのでしょうね。
私の周りでは今回の否決は好意的に捉えられているようですが・・・
そもそも市長は選挙の洗礼を受けています。
4年の任期中に行政経営を市民から付託されているのです。
ミスを防止し、市政発展に資する組織を作り上げていく、というのも市長の仕事であり、その報酬が決められています。
己の報酬を減じるという行為によって組織に「喝」を入れたい、という態度は尊重すべきだとは思います。
会派調整では市長の思いを汲んで、否決ではなく修正可決にしよう、という意見も出したところです。
しかし議論の結果、みらいの風では「否決」という態度を決定しました。
私は報酬の分だけ、というかそれ以上にしっかり働くべき、という考え方です。
今後ミスが起これば、再度減給をするのか?という質問には「同様のミスについては減給しない。今回だけ」という答弁でした。
ならば、なおのこと報酬の重みを考えてほしい。
税金から賄われる、市長や議員の報酬の重みを考えながら仕事をすべきです。
どのような対策を講じたとしても、ミスがなくなることは無いでしょう。
人間は失敗するのです。
大事なのはその失敗を繰り返さない事。失敗から学ぶ再発防止を講じるのも市長の仕事です。
再発防止が功を奏して、ミスが少なくなったとしても、行政の仕事は時代の流れとともに変化します。
新しい仕事が最初から完璧であることは考えにくい。
試行錯誤を重ねながら確度を上げていく。その過程ではミスも起きるでしょう。
新しいミスには新たな再発防止策を講じて完成度を上げていく。
仕事はその繰り返しです。
そのサイクルを構築することも含めて、市長の仕事であり、それに見合った報酬であると思っています。
また、市長が意図せずとも「減給という禊」をすませた、という考え方もあります。
大ぶりな話になりますが、市長の仕事ぶりの可否、信任や不信任は「選挙」で決すればよい。
ミスが発生するごとに処分についての議論を行うのは非生産的だと思います。
今後の再発防止や組織の再構築に期待をしたい。
そんな「希望」を込めた議決だとご理解を頂きたいと思います。