11月議会一般質問、冒頭質問

以下、冒頭質問の原稿です。
答弁含めた全編は議事録が承認された後、公開されます。
数日後に動画をアップしますので、どうぞお待ちください。

皆さんこんにちは。自由民主党、大村市選出の北村タカトシです。
本日は師走のご多用の中、傍聴席にお越しの皆様、本当にありがとうございます。
そして、オンラインにてご視聴中の皆様におかれましても、貴重な時間をさいて頂きありがとうございます。

光陰矢の如し、県民の皆様より議席をお預かりして早4 年目となりました。
会派の皆様のご高配を賜り通算8 回目の登壇となり、今任期最後の一般質問となります。
県民の皆様の付託と信頼にこたえ、長崎県政にイノベーションを起こす1時間にしたいと存じます。
どうぞよろしくお願いいたします。

先ず、 1.知事の政治姿勢、新しい長崎県について お尋ねします。
大石知事におかれては、就任後約9か月が経過されました。この間「こんな長崎どがんです会」の定期的な開催など、県民の皆様との対話を積極的に行いながら、知事が目指す 「新しい長崎県」づくりに日々邁進されていることと存じます。
先日、その「新しい長崎県」づくりに向けて「令和5 年度重点テーマに基づく主要施策の素案」が示されました。

知事が就任後、本格的に編成される来年度の当初予算は、政策的経費の削減シーリングを行うなど、産みの苦しみを経て財源を捻出された完全な「大石カラー」を示す予算であり、知事の政治姿勢を県民に伝える最大のメッセージになる、と存じます。

知事は「私の政治の原点は老老介護の現場に直面し、公助のあり方を変えねばならないと決意したこと」だと仰っておられました。
医師としての経験に基づき、就任当初から実現したいと言われている 「全世代の豊かで安全・安心な暮らしの確保」というテーマについて、今後、どのように取り組んでいかれるのか、知事のお考えをお伺いします。

次に、 2.子育て支援  (1) 子どもの医療費助成制度について お尋ねします。
知事は、「子どもが夢や希望を持って健やかに成長できる社会の実現」のための取組の一つとして、18歳までの全ての子どもたちが、 安心して医療を受けることができるよう、 市町と連携したうえで長崎県独自の医療費助成制度を創設するという考えを示されました。
これは知事の選挙公約でもあり、県民との様々な約束を果たそうと日々努力される真摯な姿勢に敬意を表します。

先般公表された 「令和5年度重点テーマに基づく主要施策」の中には、子どもの医療費助成制度に係る予算が記載されており、議会開会日には「子どもたちへの投資は未来への投資」と述べられました。
助成制度の創設に一定の目処がついたのではないかと存じますが、 現時点で、この子どもの医療費助成制度はどのようなものになる予定なのか知事の答弁を求めます。

次に、 (2) こども家庭センターの設置について お尋ねします。
児童虐待の相談対応件数の増加など、子育てに困難を抱える世帯がこれまで以上に顕在化しています。
国はこの状況等を踏まえ、児童福祉法を改正し、子育て世帯に対する包括的な支援の為の体制強化を行うこととしています。

国は、既に市町に設置されている「子ども家庭総合支援拠点」と「子育て世代包括支援センター」が、これまで果たしてきた機能と役割を維持しつつ、組織を一体化した相談機関である「こども家庭センター」の設置を進めるとしています。

「こども家庭センター」は、児童及び妊産婦の実情把握や情報提供、相談支援などを行うとともに、 支援を要する子どもや妊産婦等に対するサポートプランの作成を行うなど、 妊娠初期から切れ目のない支援を実施する重要な位置づけとなっていますが、 県内の設置状況について答弁を求めます。

次に、 (3) 幼児教育センターの設置について お尋ねします。
中央教育審議会によれば、幼児教育は「生涯にわたる人間形成の基礎を培う、普遍的かつ重要な役割を担っている」とされております。幼児教育の質の向上を図ることは、子育て支援における喫緊かつ重要な課題です。

ただ、未就学児施設には、幼稚園・保育所・認定こども園などが混在しており、 教育内容にバラツキがあるのではないか、ひいては、小学校への接続にも影響しているのではないかと存じます。
「幼児教育センター」とは、保育者への研修・相談業務、幼保小連携の推進、市区町村や幼児教育施設に対する指導助言、特別な支援を必要とする幼児に関する支援などに機能する施設であり、文部科学省が設置を進めています。

昨日、静岡県において複数の保育士が1歳児を虐待していたという事案が報道されました。
誠に残念ながら、本県においても2016年に同様の事案が発生しております。幼児教育の質の向上は急務でありますが、県内での幼児教育センター設置は佐世保市のみに留まっています。

県内の幼児教育を推進する上で、市町によって環境の差があるのは好ましい状況ではありません。幼児教育センターの設置を県が主体となって早急に推進すべきと存じますが、県の考えについて答弁を求めます。

次に、 (4) 子どもの事故防止について お尋ねします。
本年9月、通園バスの中に3歳の女児が置き去りにされて死亡するという大変痛ましい事故が発生しました。それ以前にも各地で類似の事故が相次いでおり、本県においても2010年、9ヶ月の男児が乗用車に取り残され死亡するという事故が発生しております。

「二度と繰り返してはならない」と何度かたく誓っても、発生が繰り返される不幸な事故や虐待を根絶する為には、どのような取り組みが求められるのか、我々は今一度、英知を結集しなければなりません。
政府は子どもの安全に関わる事案について実態調査に乗り出し、送迎にあたっての安全管理の徹底に関する緊急対策がとりまとめられたと存じます。今後、 本県における安全対策をどのように進めていくのかお尋ねします。

また、 安全対策の一環として保育所等における「登園の確認」が重要かと存じます。
人手不足の現場ではヒューマンエラーを完全に防ぐことはできません。ICTを活用した登園管理システムの導入など、 保育所等のDX を進めていくべきではないかと存じますが、保育所等におけるICT化の推進状況について答弁を求めます。

次に、 (5) 大村市認定資格「子ども安全管理士」の県の認定資格化について お尋ねします。
大村市の認定NPO法人Love&Safetyおおむらが、2017年より大村市と合同で子どもの安全管理に関する資格講座を開催されており、これまで160名が資格を取得されました。本年度も全国で86名が受講中であり、前回の一般質問において私も受講する旨の宣言をしたところであります。

子どもの事故を防ぐためには、正確で科学的な知見を元に、学習し続けることが重要ですが、資格の取得は学ぶ意欲を喚起する要因の一つになると存じます。

本県では、観光分野において「長崎コンシェルジュ」という認定資格を設けていますが、 子ども安全管理士においても同様に本県の認定資格とすれば、資格取得への意欲が喚起され、学び合いの輪が更に広がり、ひいては本県の子どもを取り巻く環境の安全性が高まっていくと存じます。

是非とも長崎県知事大石けんごの名の下に資格証書を発行していただきたいと提案いたしますが県の考え方について答弁を求めます。

次に、 (6) 保育士の配置基準の見直しについて お尋ねします。
質の高い保育や安心安全な保育体制を確保するため、 保育現場は配置基準を超えて職員を雇用することを余儀なくされています。
保育の利用時間は原則8時間としつつ最大11時間まで利用可能とされている為、8時間を大幅に超えている児童が殆どである実態にもかかわらず、人件費は8時間分のみしか措置されず、保育施設の持ち出しによる職員配置が常態化しています。

現在の配置基準は現場の実態と大きく乖離している上、諸外国と比較しても見劣りします。
日本の3歳児における配置基準は20:1、20名の幼児を1名で保育するとされているのに対して、韓国では15:1、フランス・ドイツでは13:1、イギリスやフィンランドに至っては7:1と手厚い配置基準となっており、非常に厳しい状況です。

適正な保育士の配置は、子どもたちの安全対策にも直結します。保育士の配置基準の見直しが必要であると存じますが、本県の考え方について答弁を求めます。

次に、 (7) 障がい児の受け入れについて お尋ねします。
昨今、5歳児健診が県内で浸透しており、結果として特別な支援を必要とする子どもの早期発見が進んでいます。保育における合理的配慮の実現に有効でもあり、高く評価しているところです。

しかし、障がい児保育の補助制度においては、市町の財政事情による自治体間格差が発生しており、受け入れの支障となるケースが散見されます。 障がい児保育への補助については、本来、県下統一された補助制度が準備されなければなりませんが、本県の考え方について答弁を求めます。

次に、(8)子育て応援の店の取組みについて お尋ねします。
本県が提供する「ながさき子育て応援ココロンネット・アプリ」については、お得なサービスや市町の相談窓口、イベント情報などが掲載されていることから、 多くの子育て家庭が利用されています。

特に子育て応援の店については、ミルクのお湯の提供や商品価格の割引などの様々なサービスが提供されており、子育て世帯に好評を博しています。

10月補正予算においては、子育て応援の店への支援に3億8千7百万円を計上した事業を進めていることと存じますが、物価高における家計への影響が深刻化しています。子育て世帯の支援を迅速かつ効果的に進める必要がありますが、県はどのように支援を進めていくのか答弁を求めます。

次に、 (9) ひとり親向けの結婚支援について お尋ねします。
本県における結婚支援については様々な取り組みがあるかと存じますが、婚姻数をさらに伸ばしていくためには、これまでにない新たな発想とチャレンジが必要かと存じます。

厚生労働省の人口動態統計によれば、令和元年における婚姻件数は59万9007件で、離婚件数は20万8496件です。離婚件数が婚姻件数の約3分の1となっており、 民間の婚活支援サービスにおいては、ひとり親向けに特化した婚活の取組が好調です。

2021年のリクルートブライダル総研、及び国立社会保障・人口問題研究所の調査では、婚活サービスを通じて結婚した人は15.1%と年々増加しており婚活サービスが選択肢の一つとして定着。SNSやアプリで出会った人が1割を超えており、婚活支援は社会の変化を踏まえる必要があります。

婚姻の4組に1組が再婚の時代となりました。ひとり親向けに特化した婚活支援や婚活アプリの開発も効果的ではないかと存じますが、本県はどのような取組を進めていくのか答弁を求めます。

次に 3.教育行政 不登校対策について お尋ねします。
文部科学省の2021年度調査によれば、全国の小中学校における不登校の児童生徒は24万4940人となり、 前年度より24.9%の増。4万8813人増えて過去最多となりました。

本県では2784人となり、前年度より22.2%の増、505人増えて過去最多を更新しており、大変憂慮すべき事態です。
先ず、県はこの状況についてどう捉えているのかお尋ねします。

また、不登校対策については6月議会でも質問したところ、不登校支援協議会における議論を踏まえ、美術館等と連携しながら児童生徒の自立に向けた段階的な支援について今後検討するとの答弁があったところです。

フリースクールなどの民間施設で指導を受けるなどした児童生徒は2021年度、全国で約9千人となり、ここ5年ほどで3倍となっています。
早急に不登校対策を進める必要があると存じますが、対策の進捗状況について答弁を求めます。

次に、 4.新産業の創出 「ミライ企業 Nagasaki2022」について お尋ねします。
11月20日に初開催されたこのイベントは、スタートアップ企業と投資家のマッチングや、起業を目指す県民の皆様が独創性に富んだビジネスアイデアを発表され、今後、新産業を創出する可能性に多いに期待できるものだったかと存じます。

こうした背景には、これまで県が進めてきたスタートアップ支援があったものと高く評価するとともに、今後も、引続き様々な支援に努めていただきたいと考えているところであります。

まず、県はこれまでスタートアップ企業への支援についてどのような取組をしてきたのかお尋ねします。
そして、このビジネスイベント「ミライ企業Nagasaki」については、今後も継続的に取り組むべきであり、さらなる発展を期待しているところでありますが、次年度以降どのように取り組むのか答弁を求めます。

次に、  5.動物愛護 (1) アニマルポートながさきの建て替えについて お尋ねします。
大村市に県が設置する当施設は、1976年の建設から46年が経過しており老朽化が進んでいます。
施設の更新の必要性については以前から一般質問でも指摘してきたところでありますが、本年6月には大村市からも新たな県への要望事項として、動物愛護の拠点施設として、施設の拡充や更なる機能向上に向けた再整備についての要望がなされました。

建て替えの検討が進んでいるかと存じますが、その進捗状況について県の答弁を求めます。

次に (2) 動物取扱業者に対するマイクロチップ装着義務化について お尋ねします。
動物愛護管理法の改正により本年6月から動物取扱業者に装着が義務化されたマイクロチップは、大村市にも拠点を持つニットク(株)が生産されており、国内では唯一の生産メーカー、世界シェアNo.1とお聞きしております。

全米獣医師会の調査によれば、マイクロチップ装着により迷子になった犬猫の帰還率が格段に向上するとされています。本県における動物取扱業者への指導状況はどのようになっているのか答弁を求めます。

次に、 6.介護人材の確保 (1) 外国人材の活用について お尋ねします。
介護人材の確保は非常に厳しい状況が続いています。本県における 2025年の介護人材の不足数は約2千人とされ、人材の確保は喫緊の課題です。

介護の需要爆発が眼前に迫り、国内の労働人口が減り続ける以上、外国人材の受け入れを積極的に進めていくべきかと存じますが、 2千人の人材不足解消のため、外国人材の受入をどの程度増やすことを目標としているのかお尋ねします。

また、外国人財の受入を増やすためには、新たな取り組みも必要だと存じますが、今後、県としてどのように取り組んでいくのか答弁を求めます。

次に、 (2) 介護の仕事の魅力発信について お尋ねします。
介護人材の確保においては、様々な視点がありますが、若い世代に介護の仕事で働きたい、と考えてもらうことも重要です。昨今、介護の仕事は処遇改善等による賃金アップやワークライフバランスも向上しており、労働条件は他の業種と比べてもそん色の無い状況ですが、介護は低賃金で重労働という古いイメージが未だ根強く残っているかと存じます。

若い世代が介護の仕事で働きたいという気運を醸成するためには、中高生向けに介護の仕事の魅力発信を更に強化していく必要があると存じますが、今後、県としてどのように取り組んでいくのか答弁を求めます。

次に、 7.歯と口腔の健康づくり 成人歯科健診受診率の向上について お尋ねします。
「食べることは生きること」であり、歯と口腔の健康づくりが全身の健康づくりに果たす役割は大きいと存じますが、 成人歯科健診の一つである歯周疾患検診の受診率は、 2020年度、本県では3.7%であり全国平均よりも低い状況です。

受診率向上に向けた取組が必要であると存じますが、長崎県産業振興財団の誘致により、本県に研究拠点を設けた医療機器会社アークレイ(株)は、長崎市内3か所の産婦人科の協力を得て、 妊産婦健診時に唾液検査を実施し、 口腔内の状況をチェックすることで歯科受診を促すという試験的な取組を実施されています。

このような取組も参考に、 成人歯科健診の受診率向上に向けた取組の強化が必要かと存じますが、県は今後どのように取り組むのか答弁を求めます。

次に、  8.農業の振興 (1) 親元就農に対する支援について お尋ねします。
大村市ではイチゴやトマト、きゅうりや花きなどの施設園芸、平坦地の黒田五寸人参などの露地野菜や、丘陵地の果樹や畜産など、多彩な農産物が生産されています。

近年、生産者の高齢化にともない、農家の後継者不足が取り沙汰されています。
栽培技術や農地、ハウス等が継承されず、農地の維持が危惧されており、担い手の確保は農業政策の喫緊かつ重要な課題です。

農業の担い手を確保する為に様々な取り組みがありますが、農業以外からの新規就農は、施設や機械などの初期投資が大きくハードルが高い側面もあります。

他方、親元での継承は栽培技術や経営資源を円滑に継承することができます。また、先祖代々受け継がれてきた農地を守り、また次の世代へ継承する、といった「百姓魂」をお持ちの方も多いと存じます。

しかし、 就農直後の経営を支援する国の制度では、親元就農者が支援の対象とならないため、不公平ではないかという声もあります。県としてどのように考えているのか答弁を求めます。

最後に、 (2) 農業青年クラブ(4Hクラブ)活動の支援について お尋ねします。
農業青年クラブは将来の日本の農業を支える若い農業者が中心となって組織され、農業の経営課題を検討したり、技術向上の為の研修活動を中心に、消費者との交流や地域ボランティア活動を行うなど、全国で約一万人が「日本や世界で貢献できる農業者」を目指して活動されています。

特に、 大村市農業者会は、大村の名物である「ゆでビー」の原材料である落花生の生産量減少を解決するための活動に取り組み、2020年度 全国青年農業者会議において、「守れ! 故郷の誇り~おおむらゆでピーブロジェクト~」と題して活動成果を発表され、全国第1位の成績を収められています。

また、2021年度には同会議の意見発表部門において、 イチジク・アスパラガス農家の小川未来(みき)さんが「経験を力に農業を楽しむ」 と題して意見発表し、全国第2 位の成績を収められました。大村の若者が元気で頑張っている姿を大変頼もしく思っています。

農業青年クラブの活動を支援することは、担い手の確保や育成に繋がり、ひいては食料自給率の向上や、日本の食糧安全保障にも繋がります。県として農業青年クラブをどう支援していくのか、答弁を求めます。

以上で壇上からの質問を終了し、再質問は対面席からおこないます。知事及び執行部におかれては、県民の声に対し簡潔明瞭、建設的で積極的な答弁を求めます。

ご静聴有り難うございました。
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