廣瀬 勝
李登輝総統のご逝去に際し編じられた。
各界各層より寄せられた追悼文と李登輝総統のスピーチ原稿で構成されています。
「22歳まで日本人だった」台湾に民主主義をもたらした無私の愛国者。
その精神に触れることができます。
ご恵贈いただき感謝。
我是不是我的我
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有史以来、日本の文化は大陸及び西洋などから滔々と流れ込んできた変化の大波の中で、驚異的な進歩を遂げてきたわけですが、結局、一度としてそれらの伴流に飲み込まれることもなく、日本独自の伝統を立派に築き上げてきました。
日本人には古来そのような稀有な力と精神が備わっているのです。
外来の文化を巧みに取り入れながら、自分にとってより便利で都合のいいものに作り変えていく。
このような新しい文化の造り方というのは、私は一国の成長、発展という未来への道にとって、非常に大切なものだと思っております。
外来の文化を巧みに取り入れながら、自分にとってより便利で都合のいいものに作り変えていく。
このような新しい文化の造り方というのは、私は一国の成長、発展という未来への道にとって、非常に大切なものだと思っております。
そして、こうした天賦の才に恵まれた日本人が、そう簡単に貴重な遺産や伝統を捨て去るはずはないと、私は固く信じています。
では、日本文化とは何か。それは高い精神性と美を尚ぶ心の混合体が、日本人の生活であると言わざるを得ません。日本人にはよくわからないかもしれませんが、日本文化は世界に稀なる特殊な文化であることを日本人は自覚しなければなりません。自然との調和を生活の中に取り込んだ日本の文化は、実は世界でも稀なる文化と言わざるを得ないのです。