昨年の夏、私は実行委員会の1人として、大村市で行われたシークレット花火大会に関わりました。
まだまだ先が見えないコロナ禍の中、市民の皆さんより寄せられたメッセージとともに#FMおおむら とコラボレーションして打ち上げられた花火は、夏の夜空を彩り多くの市民の心を打ちました。
多くの皆さんからお褒めの言葉をいただきましたが、感染対策のための「シークレット開催」により花火に苦しめられる人がいる、とのご指摘を頂きました。
それは発達障害、聴覚過敏という特性をお持ちの方々です。
大きな音が苦手、疲れる、時にはパニック障害を起こしてしまう、という方もいらっしゃるとの事。日常的にイヤーマフや耳栓を利用しながら生活している方々です。
なにも「聴覚過敏の方々の為に花火大会をやめろ」と言う話ではありません。
通常、花火大会は広く告知されるので、聴覚過敏の方々も耳栓等の準備をして、音を和らげながら皆さんと一緒に花火を楽しんでいたとのこと。
ただ、シークレット開催になると突然打ち上がるので、身構えることができないと言うことでした。
私は長らくイベントの主催や、福祉に携わってきた人間ですが「花火に苦しめられる人がいる」と言う認識が抜け落ちていました。まさに「僕のGoodは君のBad」です。反省。
ではどうするか。
どうすればシークレット花火大会の開催情報が、必要な人に得られるのか。
まずは、県の担当部局と協議を行い、花火打ち上げの認可については「公開される」という見解に達しました。
なので、聴覚過敏の方に限らずどなたでも、県の「消防保安室」にお問合せいただければ、花火大会の情報を得られます。
ちなみに、長崎市、五島市、新上五島町、壱岐市は権限委譲によりそれぞれの役所が認可していますので、そちらにお問合せ下さい。それ以外の自治体は長崎県が所管します。
「シークレット花火大会」とは主催者が広報しない、というだけであって許認可は公開される、という認識です。
花火大会の広報、という役割はあくまで主催者にあるので、県は積極的に広報もしないし、非公開にもしない、という立場です。
現在のところシークレット花火大会の申請はあっていない、とのこと。
西海市で通常のやり方での花火大会が企画されているようです。
ただ、これでは現況では、感覚過敏の方々が自ら情報を取りにいかないと、大会の開催を知ることができません。
主催者は感染対策としてシークレットにする、という主旨とのバランスが必要です。
感覚過敏の方々、必要な方々にプッシュ型の情報提供ができないか。
これらも誰も取り残さないDX、イノベーションの一つです。
更に努力します。