質疑応答 その3

市議会議員ってどんな仕事?

選挙の投票率の低迷について

福田 友樹さん

福田さん )
今月の解散総選挙で長崎の投票率が52%、いい気持ちがしなかったのですが、なぜこのような結果を招いてしまったと思いますか?

北村 )
言ってしまえば「どうせ自民党が勝つんでしょ」という空気になってしまってたからでしょう。
「勝負にならない」ということで「行っても一緒」と思う人が多かったんだと思います。

で、そこからもっと掘り下げていくと、有権者の政治リテラシー・・・政治に対する意識の低さかな、と。
自分が市長選挙に出たときには投票率は上がる、と思ってました。若いのが出るから若い人も興味を持つだろう、と思ってました。
でも、若年層は下がったんですよね。ガックリきました。

何でだ?と思ってたんですが、マスコミの人に聞いてみたら「あんまり困ってないから」って言われました。
これが国内で紛争とか起こってたら皆行きますよ、生き死にがかかってるから。 大多数の人がまあまあ安全にそこそこ暮らしていける日本ってまだまだ豊かなんだな、と思いました。
日々の漠然とした不安はあるけど「政治がああなったら、こうなったら」というところまでは切迫してないんだと思います。

ただ、政治の側にも情報発信の不足というのはありますよね。

公開討論会は面白いんですよね。政策論争を有権者の前で選挙の前にやってもらって、それで投票率が上がればいいなあ、と思いながらやってきましたけど、なかなか上がりません。
やっぱり小学校中学校の頃から選挙や政治に関する教育をしっかりした方がいいんじゃないかな、と思います。

福田さん)
選挙期間だけじゃなくて、普段から公開討論会とか継続的にしたらもっと政治に興味を持つんじゃないですか?

北村)
そうだね、テレビでは良くやってるからね。
ちなみに選挙カーを走らせるとか、そういうことは選挙期間しかできないんですよ。 選挙期間以外は選挙運動をやっちゃいけないんです。
選挙運動というのは「俺に一票入れてくれ!!」というのが選挙運動ね。

で、それ以外でやれることは何か?というと「政治運動」です。
選挙期間以外の時は政治運動で出来る事をやろうとしています、街頭で喋ったり、ポスティングしたりとかね。

選挙権を18歳まで引き下げることについて

吉野谷 奈都さん

吉野谷さん )
先日の選挙の時に出口調査をしたんですけど、アンケートをお願いしたのが高齢者ばかりで、20代の人は数名しかいなかったんですよね。
今、少子高齢化社会ということで若者が投票に行くようになっても、高齢者が多いので若者の意見が通らないと思うので、選挙権を18歳まで引き下げたらどうかと思ってるのですが、どうですか?

北村 )
そう思います、僕も。
18歳にしよう、というのは国会でも既に議論されてます。
18歳になるのは大いに賛成です。で、やっぱりなおかつ小中高と、そういう制度に理解を深めるというのは必要だなと思います。

大村市にあったらいいと思うもの

福田 友樹さん

福田さん )
今、大村市にこういうものがあったらいいな、と思うようなことはありますか?

北村 )
一つは産業支援センターですね。

中小企業振興基本条例が出来た、それからですよね。これがやっとスタートラインなので条例が出来ただけで大村市の中小企業の皆さんは潤うわけではないです。
これからなので、その具体的な制度設計をしっかりやっていかなきゃいけない、産業支援センターはその中の一つ。

そのセンターを核としてやりたいのが、起業しやすい街作りです。
皆さんの先輩も遠くに就職するでしょ?東京とか。自分も一回出たので、若いうちは一度地元を出た方がいいなと思うんですけど、東京の一極集中は良くないよね。
地域で働く人がいて、雇用を生むための経済があって・・・生業、仕事がないと地域が消滅しちゃう。

じゃあ「大村でガス会社を作ろう、自動車メーカーを作ろう」って言ってもなかなか難しいよね。
それじゃあ・・・Small Office Home Office「SOHO」という言葉がありますけど、一人起業家というか、皆さんが商売を始めやすいような環境作りをやりたい。
起業には当然リスクがあるんだけど、それをみんなで相談できるスペースというか・・・一人でやってて上手くいかないとなんか暗くなるよね。
例えば、コワーキングスペースっていうんですけど、プリンタとか会議室とか共有しあって、起業したい人が集まって、アイディアを出しあたり意見交換したりして・・・そういう場所づくりをやりたいんです。
それを「身の丈起業」と言ってます。東京三鷹市が進んでるんで視察に行って勉強してきました、そういう街作りをやりたいな、と思っています。

後は、すごく高齢化が進むんですよね。社会保障費がかなり増大していくのでそれをどうやって抑えつつ、それを賄う税収をどうやって上げていくか、です。
介護事業で働く人たちもいるんですよ。で、「抑えろ、抑えろ」って言ったらその人達の給料もね・・・
国の制度変更を見ながらだけど大村の中で考えた時には「元気な高齢者をどうやって増やすか」ということなんですよね。
その制度設計と・・・やっぱり制度作っただけじゃだめなので、熱心に皆に説明して回って「これやりましょうよ」という風に流れを作らないと物事は進んでいかないので、そういうことをやっていきたいな、と思ってます。

大村にいちばん必要なもの

出口 沙貴さん

出口さん )
大村の議員として、大村にはなにがいちばん必要だ、とか何を重視すべきと思ってますか?

北村 )
雇用の場、だと思ってます。若い人はもちろんですが、高齢者についても、ですね。
どこでも一緒ですが、人口がどんどん減ってるわけで、そうなると仕事がある場所じゃないと人は集まりにくいんですよね。
生活をするには仕事をして、お金を稼いで、やらなきゃいけないんですけど、雇用の場というのはその大きな要素になるので、必要だと思います。

ハードの面ではもっと長崎空港の便数を増やして、24時間化するなり、海外便を増やすなりして交通インフラを強化するべきですね。
今度新幹線も来ますので、空港、高速というのは大村の強みですよね。なので、もっと利便性を上げるべきだと思います。

大村市民に伝えたいこと

福田 友樹さん

福田さん )
大村市民に伝えたいことは何ですか?

北村 )
(散々悩み・・・)
皆で働きましょう、ということかな、端的に言うと。

仕事をするとか、やることがあるとか、何か人の役に立つとか、それぞれが(それぞれの)ポジションで出来る事がありますよね。
「お金を稼ぐため」だけが働く意味だとは思ってないので、高齢者の方も自分の出来る範囲で働く。
それぞれの出来る事をそれぞれのポジションで皆が一生懸命働けば世の中がよくなる、と思ってます。
なので「みんなで頑張って働こう」と言いたいかな、と。

で、休みたいときは休めばいいし、だからといって休みっぱなしではダメだし、それぞれのペースでいいんじゃないかな、と。
もう少しかしこまって言うと、それぞれが自分の能力を発揮できる場所とか役割があるという社会作りをする、それが雇用であったり経済であったり、そういった仕組みの枝葉の部分を作っていくのが政治の仕事だと思ってます。

裏を返せば「どーせ無理」とかすぐに諦めて欲しくはないな、と思ってます。
(何もかも)全部政治家だけがやることでもないので、一人一人がやらないと、ねえ。

で、そこにはイノベーションが必要なんですよ。
今あるものを活かしながら、新しい手法や新しい観点で新しい価値をつくって社会をより良くしていく
そんな思いを「政治をイノベーション」というスローガンに込めてます。

これまでいろいろな話をして頂いたのですが、いちばん興味を持っている分野はどれですか?

出口 沙貴さん

全部が出来るわけではないからね・・・やっぱりいちばんは経済です。
経済があって、雇用があって、税収があって、社会保障があるので・・・

経済って平たく言うと、皆さんにお金を稼いで頂いて税金を納めて頂いて、それが社会保障費に繋がるわけです。
なので、(経済の)その次に社会保障が来るわけだけど、経済がうまくいかないと、「豊かさ」が実感できない。
お金のために働くわけじゃないけど、お金があった方が選択肢が広がるし、人生が豊かになります。いろんなものが見れるしね。

だから、経済を上手く回していく、と。で、その効果を全体に行き渡らせる、というようなことが一番ですね。
ただ、経済学というのは僕も独学でしか勉強してないので、もっともっと勉強しないといけないと思ってます。

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