①社会保障の新たな未来をつくる
私は1996年に介護の現場に入りました。以来20年以上にわたり介護事業に携わってきましたが、山積する課題を実感しています。先進国に類をみない高齢化は「日本の静かな国難」と呼ばれ、日本がどう対処するのか。世界が注目しているのです。
団塊の世代の皆様が75歳以上となり、介護人材が33万人以上不足すると言われる2025年問題に対応する為には、潜在介護士や潜在看護師の復帰支援、介護離職の防止、AI導入におけるデスクワーク効率化や、IoT を活用した夜間勤務の省力化などが急務です。県に裁量権がある介護ロボットやICT機器の導入支援などを推進します。また、高齢者が住み慣れた地域で、その人らしく暮らし続けることができる、地域包括ケアシステムの構築が進められています。大村市在宅ケアセミナーをモデルに医療・介護の連携を更に強化し、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の推進、健康寿命の延伸やリビング・ウィル(尊厳死)の啓発、認知症サポーターの育成を推進します。
「政治は弱い人の為にある」この言葉は政治を志すものが忘れてはならない言葉です。行政の信頼を失墜させたとも言える、障がい者雇用の水増し問題。これは行政の監視機構である議会の機能不全や、思いやり、支え合いといった道徳心をおざなりした社会的弱者を軽視する風潮を現しているとも言えます。ユニバーサル・デザインの更なる推進、障がい者就労支援や農福連携等による工賃の向上、発達障がいに対する意識啓発や合理的配慮、支援体制の強化を進めます。また、通級指導には専門性の高い教職員が必要です。障がいに応じた指導ができる教職員の育成を目指し、新たな研修制度の創設を推進します。
「血液のがん」とよばれる白血病患者は毎年約2000名が骨髄移植を待ち望まれています。私は2012年、骨髄移植のドナーとなりました。この経験から大村市に県内初となる骨髄ドナー支援制度を導入しました。埼玉県は県内すべての自治体に支援制度を設けています。長崎県でも全自治体への支援制度導入を推進します。日本人の2人に一人が「がん」になり、3人に一人が命を落としています。早期発見、早期治療の推進は勿論の事、「がんとの共生社会」を目指して、がん相談支援センターの拡充や、がんサバイバーの就労支援の強化を推進します。
多様性は社会の持続可能性を高めます。誰もがそれぞれの役割を果たせる、共生社会を目指し、社会保障の新たな未来をつくるためにイノベーションを興します。