先ず、
知事の政治姿勢、令和5年度組織改正
についてお尋ねいたします。
令和5年度の組織改正として「秘書・広報戦略部」および「危機管理部」の新設と統轄監の廃止が予定されており、今議会に関係する条例案が提出されております。
今回の改正は、当初予算と同じく、大石県政で初めての本格的な組織改正であり、 知事の思いが強く反映されているものではないかと存じます。
県民の皆様にお約束された「新しい長崎県」を描いていく為の県の組織は、大石知事が目指すものを推進していくための重要な基盤です。知事はどのような考えのもとに組織改正を行おうとされているのか、基本的な考えをお尋ねいたします。
続いて、
基地対策・国民保護課の新設
についてお尋ねします。
新設する危機管理部には「基地対策・国民保護課」を新設する、とされております。
基地対策にかかる組織の新設については、これまでも佐世保市選出の議員が何度も要望してきた経過があります。これは知事の公約の一つでもあり、様々な公約の実現に真摯に取り組まれている姿勢を高く評価しております。
私も自衛隊のまち大村市選出の議員として基地対策や国民保護にはさらに注力して頂きたいと存じますが、どのような考えで新たな組織を設置するのか県の答弁を求めます。
続いて、
こんな長崎どがんです会
についてお尋ねします。
知事は、県民の皆様と対話をしていく県政の実現の為に 「県民車座集会の実施」 を公約に掲げられ、 知事に就任してまもなくの4月に第1回県民車座集会を実施、 第2回からは「こんな長崎どがんです会」というネーミングで開催されているところです。
私も先日、諫早の会場にお邪魔をいたしました。知事は、上着を取って腕捲りをしながらも、和やかな雰囲気で県民の皆様との対話を進められていらっしゃいました。大変お忙しい中に時間を割かれ、精力的に実施されていることを評価しております。
そこで先ずは、 県民の皆様と直接対話された知事の率直な感想をお伺いします。
また、この会は県民の皆様の声を県政の課題解決につなげることを目的としていると存じますが、 これまでの意見をどのように政策に反映されたのか。そして、今後どのように取り組んでいくのか知事の答弁を求めます。
次に、
2、G7 長崎保健大臣会合、テロ及び警備対策
についてお尋ねします。
G7 長崎保健大臣会合の開催まで残すところ約2か月となりました。
本県で初めて開催されるG7サミット関連の国際会合であり、 今後、 本県への国際会議誘致の足がかりにするという意味においても非常に重要な機会かと存じます。
こうした観点から、本県で開催される国際会合の警備対策に万全を期し、国内外に向けて「日本は安全な国、長崎は安心なまち」であるという事を強くアピールしていくことは、今最も重要な課題の一つです。
2月14日には化学テロ対処訓練が開催されました。不特定多数が集まる公共施設などを「ソフトターゲット」と称しますが、それらを狙うテロ対策として、連携強化と対処能力向上を図ったと聞いております。
こうした対策については警備上の情報保全という観点から、詳細が公表できないということは理解しておりますが、先進国の要人が集まる国際会合となれば、その警備を全て警察だけで完結するというわけにもいかず、消防、医療などの関係機関はもとより、県民の皆様のご協力が必要になってくるのではないかと存じます。
日本全体でこの機運を盛り上げようとしている中で、官民一体となり、安全安心な環境をつくる取組が必要であると強く感じるところですが、今回の警備対策を進める上で、県民の皆様にご協力を求める事項があれば、広く呼びかけるべきかと存じます。警察本部長の答弁を求めます。
次に、
3、教育行政、ミライ on 図書館の魅力アップ
についてお尋ねします。
大村市に位置する県立市立一体型図書館であるミライon 図書館は、県立図書館としての収蔵量は202万冊と全国6位、 令和3年度の個人貸出冊数は約86万冊で全国2位、 来館者数は約37万4千人で全国7位と素晴らしい成果をあげています。
さらに、建築物として2020グッドデザイン賞、2022 北米照明学会デザインアワード、 第1回SDGs 建築賞審査員会奨励賞を受賞するなど、高い評価を得ています。
2月18日には農副連携マルシェが開催され、私も参加いたしました。
大村市内の障がい福祉事業所や大村市青年農業者会が生産した農産物や日用雑貨、農副連携商品が子供達の手によって販売され、雨天にも関わらず多くの県民が集い、農業と障がい福祉の連携について理解と共感を深められたのではないかと存じます。
全国有数の図書館であるのは論を待たないところでありますが、図書館の評価は、単に蔵書数や貸出冊数が多いというだけでは量れません。長崎県の文化の拠点として、 どのように県民の文化活動を支える事ができるのかが問われるかと存じます。
そこで、ミライon図書館の現在の特徴についてお尋ねします。 また、今後どのような新しい機能を持たせ魅力を高めていくのか、県の答弁を求めます。
続いて、
部活動の地域移行
についてお尋ねします。
少子化が進行する中で、学校の部活動は部員不足等によりチームを組めず、練習や大会出場が難しくなったり、希望する部活動がない、など子どもたちのニーズとそぐわない現状が散見されます。また、部活動の指導が教員の負担になっている、という指摘もあり、教員の仕事はブラック、というイメージにもつながっているのではないかと存じます。
教育は国づくりの基であります。教育の質の向上を図るには、優秀な人材が集まるよう、学校は魅力ある職場で、教職はやり甲斐のある仕事だといえるような環境整備が必要です。
中学校の部活動の地域移行における最大の目的は、子どもたちの持続可能なスポーツ・文化芸術活動の機会を確保するため、 学校や地域、 スポーツ・文化団体などが連携して進めていくものと理解しております。また同時に、現場の負担軽減につながり、 教育の質を向上させるなど 「学校の働き方改革」 につながることと存じます。
令和3年度から長与町が先行して部活動の移行に取り組まれておりますが、将来にわたり子どもたちが活動する環境や機会を確保することは、全県的な課題であり、部活動の地域移行を県内全域で確実に進めていく必要があると存じます。
本県の現状及び、今後の取組について答弁を求めます。
次に、
4、子育て行政、保育士の人材確保対策
についてお尋ねします。
厚生労働省の職業安定業務統計によれば、全国における保育士の有効求人倍率は令和4年10月時点で2.49倍となり、全職種平均の1.35倍と比べると、依然高い水準で推移しており、保育の現場では、 保育士の人材確保が大きな課題となっています。
本県においても、保育人材確保については、新卒者対策や潜在保育士対策、離職の防止、処遇改善などにおいて、様々な対策を行っていると承知しておりますが、保育士修学資金貸付事業は、返済の免除制度もあることから県内の保育人材確保対策として有効であると存じます。
先般示された、令和5年度当初予算においては、当事業の予算が増額されており、高く評価しておりますが、保育士修学資金貸付金について、県は今後どのように進めていくのか答弁を求めます。
続いて、
保育施設の安全管理
についてお尋ねします。
消費者庁によれば、5歳以下の子どもが食品をのどに詰まらせた事故は、2020年までの10年間で全国の医療機関から141件報告されています。その約2割を、大豆やピーナッツなどが占め、2020年2月には節分の豆をのどに詰まらせた4歳の子どもが亡くなる事故も起きています。
昨年9月には静岡県において通園バスの中に3歳の女児が置き去りにされて亡くなるという大変痛ましい事故が発生したことは記憶に新しいところかと存じます。
これまでも幾度となく、子どもの事故防止や安全管理については一般質問を繰り返してまいりました。私も5歳の子を持つ親であり、本県の子どもたちが安心安全な環境で健やかに育つことを切に願う一人であります。
保育施設は市町が所管しておりますが、認可外の保育施設は県が所管となります。施設の安全管理や安全装置の設置の義務化などが進められていると存じますが、認可外保育施設も含めた進捗状況について県の答弁を求めます。
次に、
5、福祉保健行政、介護人材の確保
についてお尋ねします。
これまで何度も質してきたとおり、介護人材の確保は非常に厳しい状況が続いています。本県の老人福祉計画・介護保険事業支援計画における2025 年の介護人材不足数は約2千人とされている喫緊の課題です。
介護人材の確保が厳しい状況においては、 外国人等の新たな人材確保に加えて、介護職員を支える介護助手の活用が考えられます。介護助手とは、介護職員をサポートする職種で、比較的簡単な周辺業務の部分を担います。
介護助手は介護職が未経験の高齢者でも、掃除、食事の準備、話し相手などの業務に従事することは可能かと存じます。大変恐縮ながらお元気な高齢者の方にも、介護助手として働いて頂ければ、現場の負担軽減につながり、ひいては働く方の生き甲斐の創出や、フレイル予防等、健康寿命の延伸が期待できます。
高齢者による 「介護助手の活用」 を推進すべきと考えますが、本県のこれまでの取り組みや、今後どのように進めていくのか答弁を求めます。
続いて、
施設の電気代等の価格高騰対策
についてお尋ねします。
東京商工リサーチによれば、2022年の「老人福祉・介護事業」倒産は介護保険制度が始まった2000年以降で最多の143件を記録しました。新型コロナ関連倒産は前年比5.7倍の63件と急増しています。介護報酬によるサービス料金が固定されている一方で、光熱費や食材などの価格上昇を転嫁できないまま経営が悪化するケースも散見され、コロナ関連の支援縮小も背景にあるとされております。
県は、エネルギー等物価高騰の影響を受けている公共性が高い施設事業者に対して、電気代等価格上昇分の一部を支援していると存じますが、その状況について答弁を求めます。
続いて、
障がい者スポーツの推進
についてお尋ねします。
先般、東京2020パラリンピック車いすバスケットボール銀メダリスト、鳥海連志選手、 川原凛選手を招いてのイベントが開催され、障がいの有無に関わらず、 多くの方々が観戦に訪れ、 大盛況のうちに終わったとお聞きしております。
こういった取組みは、 障がいの有無にかかわらず、誰もがあらゆる社会活動に参加することのできる共生社会の実現に向けて、障がいを持つ方々への理解を深めていただく絶好の機会であると考えます。
そこで、県は障がい者スポーツの推進にどの様に取り組んでいくのか答弁を求めます。
次に、
6、中小企業・小規模企業の振興、倒産防止の為の資金繰り対策
についてお尋ねします。
帝国データバンクの調査によれば、2022年本県における事業の廃業、解散は前年比4.6 %増の497件となり、3年ぶりに増加しました。
2023年の休廃業、解散件数は、コロナ関連融資の返済本格化を控え、さらに増加に転じる可能性は高いと見込まれています。
これまでも県では、 原油・原材料高騰に苦しむ事業者の声に対応し、資金繰りメニューの新たな区分を追加するなど、迅速に対応して頂いておりますが、 このような現状を踏まえ、 中小・小規模企業の資金繰りについて、どのような対策を講じるのか答弁を求めます。
続いて、
事業承継の推進
についてお尋ねします。
県では、これまでも関係機関とも連携し、事業承継に取り組んでいることと存じますが、 コロナ禍により、中小企業は事業承継を後ろ倒ししているケースが散見され、先ほど述べた調査では代表者の平均年齢は70.55歳と経営者の高齢化が進んでいます。
事業承継をさらに推進していくことが重要かと存じますが、事業の売買額が大きいケースでは、銀行や民間事業者が仲介するなど市場機能が働いて事業承継が進められますが、事業規模が小さなケースでは難しいかと存じます。
人口が減少する中で地域経済を維持する為には、地域を支えてきた家族経営的な事業者についても、引き続き、事業を継続していただく必要があります。民間が手掛けることが難しいような小規模なケースについても事業承継を推進するべきだと存じますが、県の取組みについて答弁を求めます。
次に、
7、農業振興、畜産飼料の国産化
についてお尋ねします。
東京商工リサーチによれば、2022年の「農業」の倒産は20年間で最多に迫っています。円安やロシアのウクライナ侵攻に伴う飼料高・燃料高が加速し、養鶏業や養豚業を含む畜産農業の倒産が前年同期の約3倍に急増。農業経営の苦境が鮮明になっています。
先日、大村市の畜産農家からお話をお伺いしましたが、経営を継続するために世界各地のトウモロコシなど穀物の国際価格を日夜確認しながら経営努力を続けられています。
日本の食料自給率の低迷は周知の事実です。食料安全保障が喫緊の課題として取り沙汰される昨今、将来にわたり安心して畜産経営を継続して頂く為には、家畜のエサの殆どを輸入に頼っている現状から、国産のエサ、いわゆる自給飼料の増産を進めることが重要かと存じます。県の考えについて答弁を求めます。
続いて、
エコフィードの活用
についてお尋ねします。
家畜のエサを国産化する方法には自給飼料の増産に加え、これまで廃棄されているような食品加工残さ等の未利用資源、いわゆるエコフィードを活用するという方法もあるかと存じます。
先ほどご紹介した大村市の畜産農家では、廃棄される食パンの残さ、所謂パンの耳を養豚の飼料として活用されていると聞いています。
そこで、エコフィードにおける県の取組みについて答弁を求めます。
次に、8、地域振興、地域づくり人材による地域の活性化
についてお尋ねします。
少子高齢化が全国よりも早いスピードで進んでいる本県においては、 近い将来、地域の活力が衰退するのではないかと危惧しております。
そのような中、 一般社団法人「東彼杵ひとこともの公社」が国土交通省の令和4年度地域づくり表彰において最高賞である国土交通大臣賞を受賞されました。
同公社は古い米倉庫を改装した集合型店舗を交流拠点「ソリッソリッソ」として活用。ホームページやSNSで活動を発信しながら、地区外から人を呼び込み、UIターン者の起業や雇用創出につなげ、新たな交流を生み出した事が評価されました。
このような取組は、地域住民が自分の住んでいる地域に誇りを持つことに繋がり、地域の活性化やひいては郷土愛の醸成につながるかと存じます。
県は同公社と連携した取り組みを行っていると伺っておりますが、 どのような取り組をおこなっているのか答弁を求めます。
次に、
9、県民生活環境行政
地球温暖化対策におけるブルーカーボンに関する研究
についてお尋ねします。
地球の平均気温は、このままでは2100年には最大4度上昇すると予測され、温暖化の様々な弊害が取り沙汰されています。日本は「2050年カーボンニュートラル」を宣言し脱炭素社会の実現を目指していますが、そうした中、新たなCO2吸収源としてブルーカーボンに注目が集まっています。
ブルーカーボンとは「藻場・浅場等の海洋生態系に取り込まれた炭素」のことであり、海の中の森、とされる藻場には、CO2を削減する効果が見込まれ、気候変動の新たな緩和策になると期待されています。
CO2は水に溶けやすい性質があり、海洋全体のCO2の量は大気中の50倍とされ、四方の海に囲まれた日本はブルーカーボンの宝庫であるとも言えます。
令和2年に設立されたジャパンブルーエコノミー技術研究組合はブルーカーボンの認証、 クレジット化する取組を試行しており、この取り組みには日本製鉄や関西エアポートなどの企業が参入し、県内では「五島市ブルーカーボン促進協議会」が認証されております。
海岸線の長さでは全国二位、離島の数では全国1位の海洋県である長崎県は、大村湾をはじめ藻場・浅場に恵まれており積極的な取り組みを期待しているところです。
大村市の環境保健研究センターでは 藻場におけるブルーカーボンに関する研究を行っていると聞いていますが、その研究内容について答弁を求めます。また、この取り組みを進めるにあたりどのような課題があるのか、合わせて答弁を求めます。
最後に、
インターネット誹謗中傷防止条例の制定
についてお尋ねします。
総務省の発表する情報通信白書によれば、2021年の情報通信機器の世帯保有率は97.3%、インターネット利用率は82.9%であり、現代社会において、インターネットは必要不可欠な生活インフラとして定着しています。
しかし、県民の生活に密着したインターネットにも光と闇があります。その匿名性、情報発信の容易さから、誹謗中傷やデマ、プライバシーの侵害、差別的な表現等インターネットによる人権侵害が安易に行われ、いじめの温床となる等問題が深刻化しています。
本日は佐世保市の保育園において保育士らがSNSにて誹謗中傷を受けて退職、休園する事態となっていると新聞報道されています。もう一歩踏み込んだ対策が必要です。
佐賀県や大阪府では、インターネットでの誹謗中傷や差別を防止するための条例制定や改訂が進められており、その流れは全国に広がりつつあります。長崎県においても関係条例を策定し、表現の自由に配慮しつつ、県民をインターネットの負の側面から守るための必要な対策を講じていく必要があると存じますが、関係条例の制定について県の答弁を求めます。
また、人権尊重社会の実現に向けて、 県はどのように取り組もうとしているのか合わせて答弁を求めます。
以上で壇上からの質問を終了し、再質問は対面席からおこないます。知事及び執行部におかれては、県民の声に対し簡潔明瞭、建設的で積極的な答弁を求めます。
ご静聴有り難うございました。