日本軍の組織論的研究
戸部良一 寺本義也 鎌田伸一 杉之尾孝生 村井友秀 野中郁次郎
語るのも憚られる名著。
今更感全開ですが読了しました。
明治日露の成功体験、白兵銃剣主義、大艦巨砲主義から脱皮できなかった日本。
大東亜戦争におけるノモンハン事件、ミッドウェー作戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ海戦、沖縄戦を分析してあり、なぜ日本が戦争に負けたのかが分かります。
動力性能を誇った零戦という傑作がガラパゴス化の中で生まれた持続的イノベーションの成果だったとの見解には得心。
野中郁次郎先生のアメリカ海兵隊についての経営組織論を拝聴したことがありますが、この研究がルーツになっているのかなと思いました。
隣国ロシアの蛮行が世界秩序を揺るがしています。
日本が今後どのようにして抑止力を高めていくのか。世界の平和をどのようにして構築するのか。
タブーの無い議論と行動が必要だと思います。
・・・・・
組織が、環境に継続的に適応していくためには、組織は環境の変化に合わせて自らの戦略や組織を主体的に変革することができなければならない。
こうした能力を持つ組織を、「自己革新組織」と言う。
日本軍と言う1つの巨大組織が失敗したのは、このような自己革新に失敗したからなのである。