今回も一括質問にて登壇しました。
市議時代はすべて一問一答で行ってきました。しかし県議会の本会議場では一括質問の方が私にはあっているような気がします。
最大の理由は議事録=記録になったときに分かりやすい。
リアルタイムで聞くと「対話」になる一問一答の方が分かりやすいのですが、聞こえない方々も入らっしゃいます。
議事録になったときに「対話」である一般質問は分かりにくくなることがあるのです。一括質問は「文章」ですので、読み物としての理解しやすさが上なのではないかと感じています。
時間配分は及第点だったような。
前回に続き連続登壇でしたので、準備する時間が思うように取れなかったのが惜しいところ。
以下、冒頭質問のみ原稿です。
長文ですのでお時間のある時にお読み捨て頂ければ幸いです。
映像と答弁付きの議事録は後日アップいたします。
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先ず、防災行政、コロナ禍における避難所運営についてお尋ねします。
先般、災害対策基本法の一部を改正する法律が施行され「避難勧告」は「避難指示」に一本化されました。これまで取りざたされてきた「避難勧告の空振り」はなくなりますが、今後は避難勧告のタイミングで全員が避難することとなります。
昨年はコロナ禍の中で豪雨災害が発生し、多くの避難所で混乱が発生したと存じます。感染対策の為に収容人数が制限され「避難所に行っても入れない、どこが空いているのかわからない」という声を数多くお聞きしました。
本県の感染段階ステージは低下しつつあるものの、コロナ禍における避難所運営には様々な課題があります。
今年も災害のリスクが高まる出水期が迫っております。県は、それらの対策にどのように取り組むのか答弁を求めます。
次に、県民生活環境行政、ながさきコロナ対策飲食店認証制度についてお尋ねします。
コロナ禍の影響が長期化し、飲食店事業者は経営悪化に苦しんでおります。
県内でも、地域によって時短要請の有無が異なった為、協力金の支給が受けられない地域の事業者からは不満の声も上がっています。
そのような中、県は「ながさきコロナ対策飲食店認証制度」を開始されました。飲食店の皆様に県民や来県者が安心して利用できるお店作りを進めて頂き、感染防止に取り組むお店として認証することで、経済の早期回復と持続性の向上を目的とする制度、とのことですが、必ずしもこの制度を歓迎する声ばかりではありません。
営業不振が続くことにより経営マインドが悪化している事業者も少なくなく、この制度について「認証が取れない店を選別してふるい落とすのか」といった不安の声も頂いているところです。
実施要項の第5条には、認証基準に適合できない場合には指導等を行う、という記載がありますが、上から目線の「指導」ではなく、同じ高さの目線でどうすれば適合できるかという「助言」を行い、事業者の皆さんと安心できるお店作りを一緒に進めていくという姿勢に徹するべきです。
また、第12条には感染症発生時の措置として「認証施設の従業員又は利用者のうちから感染症患者が発生した時は認証を一時停止する」とされております。
新型コロナウイルス感染症は、どんなに気をつけていても感染してしまうことがあることは周知の事実であり、いつ、どこで感染したかを確定するのはかなり難しいかと存じます。従業員や利用者が感染したからといって、その原因が店舗にあるとは限りません。認証停止や取り消しについては慎重の上にも慎重に判断するべきです。
この認証制度は、決して飲食店事業者を選別するものではなく、飲食店、利用者、行政も一緒に感染対策に取り組み経済を回復させよう、という制度本来のメッセージを強く発信する必要があるかと存じます。
そこで、現在の申請受付数や現地調査の状況等、制度の進捗状況についてお尋ねします。
加えて、マスク会食の呼びかけや、発熱者の来店お断りなど店舗側にとっては心理的なハードルが高い感染対策を必要とする場合もあります。今後も様々な課題が浮かび上がるかと存じますが、県は、この認証制度の普及にどのように取り組むのか答弁を求めます。
次に、福祉保健行政(1)健康経営についてお尋ねします。
「健康でありたい」という願いは万人共通の願いであります。
県は、この願いを実現しようと様々な施策を講じているかと存じますが、近年、それを会社ぐるみで実現しようという「健康経営」という考え方が広がっています。
健康経営とは「企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても大きな成果が期待できる」との考え方に立ち、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践することを意味しています。
従業員の健康管理・健康づくりの推進は、生産性、創造性、企業イメージの向上等の効果が得られ、かつ、企業におけるリスクマネジメントとしても重要です。
そのような中で、県は「健康経営宣言事業」に取り組まれていると存じます。
この事業は健康経営に取り組もうとする事業所に「宣言」を行って頂いたのち、1年間の取り組みを評価し、優秀な事業所を「健康経営推進企業」として認定、公表する事業でありますが、宣言を行う企業数にくらべ認定される企業数が1/3程度に止まっております。
県は「健康経営推進企業」の認定数向上に向けて、どのように取り組むのか答弁を求めます。
次に(2)介護職の離職防止対策とイメージアップについてお尋ねします。
これまで何度も訴えてきたように、介護人材の確保は非常に厳しい状況が続いています。3月に策定された「第8期老人福祉計画、介護保険事業支援計画」における2025年の介護職員不足数の推計は約2,000人とされました。
依然として人手不足が見込まれるものの、処遇改善加算による給与の見直しや労働環境の改善に関する取り組みもあり、前期計画における3,000人が不足するという推計からは改善がみられます。
また、本県の介護職の離職率は減少傾向であり、令和元年度には約12%と全国平均を下回る状況となりました。
環境改善が図られ、離職も減りつつあると存じますが、介護の仕事は重労働、という先入観は根強く、多くの事業所は採用に苦慮しています。
そこで、介護職員の疲労軽減や腰痛予防のための「ノーリフティングケア」への取り組みや、離職率が低く優良な介護事業所についての情報発信などで、介護職の環境改善が図られてきている状況を更に周知することが効果的だと存じます。
県は、介護職の離職防止対策とイメージアップについて、どのように取り組むのか答弁を求めます。
次に(3)ワクチン再接種費用の助成についてお尋ねします。
先般、小学生の我が子が「慢性活動性ebウイルス感染症」という難病に侵され、入院されている方のお話をお伺いしました。「変われるものなら変わってやりたい」という親心を吐露され、私も子を持つ親の一人として胸が苦しくなりました。
この難病の治療法として骨髄移植がありますが、親族間でドナーが見つからず不安な日々を過ごされておられます。このような方々の不安を軽減することも、政治行政の役割かと存じます。本県は今年度より骨髄ドナー支援制度を開始され、血液難病患者を取り巻く課題解決の為に一歩前進されたことは、高く評価しているところであります。
骨髄移植が患者に与える影響として、予防接種を通じて移植の前までに取得していた免疫力が失われた状態、いわゆる免疫不全になることがあります。
免疫不全になれば、子どもの頃から接種してきた予防接種を再度行う必要があります。ところが、現在のところ、再接種にかかる費用は予防接種法の対象外とされており、保険適用外であるため、全額を患者が負担せざるをえない状況となっております。
再接種にかかる費用は数十万円にも上り、患者やそのご家族にとって大きな経済的負担となっています。
私がお話をお伺いした方はひとり親家庭であり、非正規雇用で収入も不安定である上、子どもの入院先が遠方で、経済的な負担も重く非常にご苦労をされていらっしゃいます。
そのような中で、再接種の公費助成を行う自治体が全国的に広がっています。
昨年2月の一般質問でお尋ねしたところ、全国で89市区町村が公費助成を実施している、との答弁がありました。最新の調査では全国1,724自治体の内、484の自治体が公費助成を開始し、県内においては長崎市が本年度より助成制度を開始しております。
都道府県レベルでは大阪府や兵庫県、九州では福岡県が再接種にかかる費用を助成しています。
病床に伏せる県民の負担と不安を軽減する為に、本県においても同様の取り組みを実施すべきと考えますが、県の姿勢について答弁を求めます。
次に、スポーツの振興(1)東京2020オリンピック聖火リレーについてお尋ねします。
さる5月7日8日の二日間、本県において聖火リレーが開催されました。
コロナ禍における聖火リレーやオリンピック開催には、多様な意見があると承知しております。報道機関によっては否定的な意見ばかりがとり上げられている傾向もあるように感じております。
ここで、ある県民より頂いたメッセージの一部を紹介いたします。
「私は離島の聖火ランナーに選ばれました。子どもたちや周りの人たちも凄く楽しみにしています。そんな中、島根県が聖火リレーを辞退するというニュースを知りました。
色々と問題はあるのでしょうが、私も含め応募した人たち、選ばれた人たちは凄く熱い想いを持って聖火リレーに臨もうとしています。その周りの人たちも凄く楽しみにしています。私はそういう人たちに夢を与えることが出来ればと思っています。
感染症に関しては、きちんと対策をすればいいのではないかと思います。
だから、長崎県はそんなに簡単に辞退を考えないで欲しい。
もちろん辞退を簡単な気持ちで決断したわけではないと思います。
でも、私のような思いを持っている人がいるということも伝えたいのです」
程なく本県181名のランナーが聖火をつなぎ、次の佐賀県へと無事に引き継いで頂きました。
大村市においては、
「私の祖父は1964年に初開催された東京オリンピックの聖火ランナーを務めた。未熟児で生まれた私が元気に走れるのも親族のお陰。感謝の気持ちを込めて走りたい」と語られた中学生や
「難しい手術を何度も繰り返して元気になれた。臓器移植に協力してくれたドナーに感謝を伝える為に走りたい」という方もいらっしゃいました。
ランナーの皆さんが熱い思いを胸に、聖火をつないで頂いた事は大変嬉しく思っております。感染対策のため、当初の予定から内容を一部変更、制限をかけながらの実施でありましたが、県として、本県の聖火リレーをどう評価しているのか答弁を求めます。
次に(2)パラリンピック聖火フェスティバルについてお尋ねします。
開催まで一カ月を切ったオリンピックに話題が集中しておりますが、8月24月からは東京2020パラリンピックが開催されます。
本県出身で車いす男子バスケットのちょうかい れんし選手、及び、かわはら りん選手、
卓球男子のあさの たかし選手など出場が内定された選手の皆さまに対してお祝いを申し上げますとともに、大会でのご活躍を心から祈念する次第であります。
パラリンピックは障害を持つアスリートが出場できる世界最高峰の国際競技大会であるとともに、障害のあるなしに関わらず誰もがあらゆる社会活動に参加することのできる共生社会の実現に向けて、国民の理解を深めていただく絶好の機会であると存じます。
オリンピックの聖火リレーについては、先ほど申し上げた通りですが、パラリンピックおいては各都道府県単位での聖火リレーは実施されず、東京へ聖火ランナーを送り出すイベントとして「聖火フェスティバル」を開催することとなっております。
そこで、本県での聖火フェスティバルの実施内容、 準備の状況について答弁を求めます。
次に(3)高総体についてお尋ねします。
令和3年度第73回長崎県高等学校総合体育大会が6月5日から11日までの期間、予定通りに実施され、大変嬉しく思っております。
昨年はコロナ禍の影響により、大会史上はじめての開催中止となりました。当時3年生だった生徒は大変悔しく、やり場のない切ない思いでいっぱいだったことと存じます。
昨年と同じコロナ禍において大会を開催するためには、高等学校体育連盟を始め、各競技団体や各学校による創意、工夫が必要であり、今大会はそのような積み重ねの成果として大会開催が成功したと存じます。
県は大会開催にあたり、どのような工夫や対策を講じたのか。またどのような課題を見出し、コロナ禍におけるスポーツ教育につなげていくのか答弁を求めます。
次に、農業の振興について、花き生産、消費拡大についてお尋ねします。
大村市ではカーネーションや鉢物の生産が盛んであり、県内でも元気な花きの生産地となっております。昨年は7月豪雨でカーネーションや観葉植物のハウスに甚大な被害が発生したほか、コロナ禍の拡大に伴って花きの需要が低迷するなど、大きな危機に直面いたしました。
しかしながら、地域の生産者が協力してハウスの復旧や営農再開、高品質な花きの厳選出荷等に取り組み、努力を続けている生産者もいらっしゃいます。
今年行われた県花き品評会では、大村市荒瀬町の開田浩幸さん出品のカーネーション「レージェ」が、九州農政局長賞を受賞するなど、長崎県のカーネーション栽培を牽引しています。
意欲ある生産者を応援し、産出額の増加や産地の拡大を図るため、花きの生産振興や販売、消費の拡大に取り組むべきと考えますが、県の取り組みについて答弁を求めます。
次に、子どもの事故防止
(1) 水難事故の防止対策についてお尋ねします。
0歳から19歳のこどもの死亡原因の第1位は“不慮の事故”であります。
しかもこの50年間、変わらずに交通事故、窒息、溺水などの不慮の事故で、毎年300人前後の子どもが命を落としています。
幼い子どもが、自ら事故を予防するのはほぼ不可能です。子どもたちを事故から守るのは、私たち大人の責務であります。
夏の時期に懸念されるのは水難事故です。
昨年は本県の高校生がダムに転落し、溺死するという痛ましい事故が発生いたしました。ご親族の心中を思えば、胸が詰まる思いであります。
学校においては、様々な危機に臨機応変に対応したり、予め危機を回避する能力を育てるための安全教育や、水難事故防止に対して様々な指導が行われていることと存じます。
中でも、学校での水泳指導については、服を着たままプールに入る着衣水泳や落水時の対応、ライフジャケットの必要性など、命を守る能力を高める実践的な内容を強化すべきです。
県は、児童生徒の水難事故防止について、どのように取り組むのか答弁を求めます。
次に(2)子どもの安全管理についてお尋ねします。
大村市の認定NPO法人Love & Safetyおおむらは、2017年より大村市と合同で「教育・保育施設における子どもの安全管理士講座」を開催されております。
講座のカリキュラムは1年間で全10回、昨年度は19名が「子ども安全管理士」として認定され、これまで129名が受講、111名が資格を取得されました。本年度も既に64名が受講中との事です。
子ども安全管理士とは、吉川慎之介記念基金が2015年に開設した資格認定講座です。この基金は2012年、愛媛県西条市において幼稚園児が川遊びの最中に溺死した事故が発端となって設立され、子どもの命を守り育む社会を実現する為に活動している団体です。
2019年には日本財団の支援により「子ども安全管理士講座教科書」が完成し、日本子ども安全学会の理事を中心に、自治体レベルでの取組として広がっております。
このように様々な努力を続け、どんなに注意していても、思わぬ事故が起こる可能性は否定できません。内閣府の発表によれば、2020年に全国で起きた保育事故が2,015件に上り、前年に比べ271件増加して、現在の集計方法となった2015年以降で最多となりました。
コロナ禍も相まって現場の保育士のご苦労は大変なものだと存じますが、県は、保育の現場において、子どもの安全管理にどう取り組むのか答弁を求めます。
次に、女性の活躍、キャリアアップについてお尋ねします。
男女平等の度合いを示す世界経済フォーラムの「ジェンダーギャップ指数」が先般発表されましたが、日本は156カ国中の120位と下位に低迷しております。
社会の持続可能性を高めるためには、性別に関係なく活躍できる社会を実現する必要があります。男女共同参画を進める為に、女性が活躍しやすい環境を整え、様々な解決課題に向けて女性の視点が必要かと存じます。
女性活躍の状況を示す指標の1つに管理職に占める女性の割合がありますが、県職員、教職員、警察が見本となって積極的に女性職員を管理職に登用していくべきです。
そこで現在の状況と、女性職員の管理職への登用に向けてどのような対策を講じているかお尋ねいたします。
また、本県の民間事業者における女性管理職の割合がどうなっているのか、登用を進めるために女性のキャリアアップについて、どのような取り組みを行っているのか答弁を求めます。
次に、特殊詐欺対策についてお尋ねします。
報道によれば長崎県警は、県内で特殊詐欺被害が相次いでいるとして「危機的状況にあり、県民総ぐるみで重層的な取り組みを図る必要がある」と呼びかけています。
特殊詐欺の被害を防止するためには、県民一人ひとりの意識付けが重要であり、本県出身の有名人を活用するなど様々な広報啓発活動を行っているかと存じます。
こうした広報啓発や報道を通じ、多くの県民は「特殊詐欺」と言う犯罪があるということを認識しているものと存じますが、知っているにもかかわらず、依然として被害が発生する状況は「知識」としては知っているが、これを行動に結びつけるための「意識」として定着していないのではないかと存じます。
これ以上、被害者を増やさないためにも県民の意識の中に被害防止対策を定着させ、行動につなげていくための取り組みが必要だと存じます。本県の特殊詐欺の発生状況や手口の特色、被害防止対策の進捗状況についてお尋ねします。
また、これまで以上の新たな取り組みも必要かと存じますが、長崎県警はどのように取り組むのか答弁を求めます。
最後に、陸上自衛隊水陸機動団の誘致 についてお尋ねします。
昨年9月の一般質問において、陸上自衛隊水陸機動団の新編計画について、県は誘致を実現する為にどのような取り組みを行うのか質したところ、知事は今後も機会を捉えて要望を重ねていく、という答弁をなされました。
そして先般「仮称・第3水陸機動連隊が600人規模で大村市竹松駐屯地に配備する方向で調整に入り2024年に発足を目指す」との報道がなされたところであります。知事はじめ誘致実現に向けた関係各位のご努力が、この報道につながったのではないかと大変歓迎しているところです。
ただ、県内にはこの配備について反対する声もあります。ここで改めて、長崎県大村市への配備実現について知事の決意をお伺いしたいと存じます。
以上で壇上からの質問を終了し、再質問は対面席からおこないます。知事及び執行部におかれては、県民の声に対し簡潔明瞭、建設的で積極的な答弁を求めます。
ご静聴有り難うございました。