コロナ禍に対しての支援策に連日多くのご要望やお問い合わせを頂いています。
ご満足いただける回答をできる事はどちらかというと少なく、心苦しいお返事をする事が多々あります。
給付の時期などについてのお問い合わせも多く、
本日の日経には「経済支援遅い・73%」との記事が。
その原因の一つに日本がICT後進国であることがあげられます。
途中で改善されたとはいえ、当初はコロナウイルス感染者の情報をFAXでやり取りしていました。
それが集計ミスに繋がったことは記憶に新しいかと。
私の事務所にも県や議会事務局から大量のファックスが送られてきます。
ちなみにFAXは産業「遺産」の収集で知られる米国のスミソニアン博物館がコレクションの一つに加えたほどです。
国民一人当たり10万円の給付スピードについても、他国に比べると劣っているのは否めない。
スマホで申請はできますが、実は各自治体の職員がプリントアウトしています。
住民基本台帳データと一件ずつ突合作業をして振込しているのです。
加えて口座番号等に入力ミスが散見され、10%程度が再申請となっています。
大村市などいくつかの自治体はオンライン申請を中止しました。
住基データとリンクしていない、オンラインとは見せかけだけの使えないシステムなのです。
社会保障番号と口座情報が紐づけられているアメリカでは、政策決定から2週間で入金がなされています。
いわゆる日本のマイナンバーですが、その普及はかなりお寒い状況。
国内普及率は16.4%
長崎県17.7%で全国7位と健闘。
県内1位は大村市24.9%、最下位は9.1%となっています。
プライバシーが保てない、所得や資産が政府に把握される、なんていう批判もあったせいでしょうか。
(適切に申告していれば問題ないはずですが)
おまけに現行制度ではマイナンバーを現金給付の事務に使えません。
自治体は給付作業が終われば、口座情報を破棄しなければならないのです。
考えたくないことですが、感染の第二波、第三波が起これば、同じことが繰り返されるのでしょうか。
また、所得データが紐づけられていなければ、本当に支援が必要なお困りの方も、相当余裕のある方も一律支給となります。
今回はとにかく支給を早く、ということで一律支給となりました。
公平ではあるかもしれませんが、政治の役割を考えれば正しいとは思えない。
中国・韓国などのシステムはコロナ禍の封じ込めには大いにその力を発揮したようです。
口座情報から位置情報、クレジットカードまですべてが紐づけられており、監視カメラだらけのスーパー監視社会。
イギリスなどは駐車違反は監視カメラのみで取り締まられますが、当て逃げされてもすぐに犯人が見つかるそう。
日本のマイナンバー政策や近々発表されるブルートゥースを活用した濃厚接触者を特定できるシステムは別の物です。
外出違反で警官に追い回されたり、口座の残高から何を買ったかまで政府が監視できるシステムはまっぴらゴメンですね。
ちなみに、スイスのビジネススクールIMDの世界デジタル競争力ランキングでは日本は23位。
アジア地域でもシンガポール、香港、台湾、韓国、中国に遅れをとっています。
世界一のICT国家と言えばエストニア。99%の行政手続きや投票がオンラインで可能です。
(結婚と離婚はできません)
世界でもICT先進国とは言えない日本。
この状況は早く脱したいところ。
マイナンバー取得の誘因政策として、ポイント還元制度が9月に始まる予定です。
是非ご活用ください!