新型コロナウイルス感染症対策についての要望事項
自由民主党
1、長崎県は国内の感染「拡大」地域からの水際対策を強化すべきであり、空港や港湾等にサーモグラフィー等を設置し、体温チェックおよび感染症対策機関と連携できる体制を早急に構築すべき。
長崎県は政府施策要望の1−1において「国外からの新型コロナウイルスの侵入を防止するため、空港や港湾等での検疫体制の強化など、水際対策に引き続き万全を期すこと」と要望を行うところであるが、長崎空港の国際便は既に運休している。また他の空港においても国外からの渡航は一定の制限がなされており、対策が効果をあげていると考えられる。
しかし、感染拡大は既に国内で広がっている段階であり、4月7日に国内7都府県に非常事態宣言が発令されたところである。「東京脱出」「コロナ疎開」という旨の報道のとおり、東京等から地方へ移動する流れが見られ、大都市からの地方への感染拡大が懸念されている。(別紙1-1,2)
感染「確認」地域にとどまっている長崎県は、県民の不安を払拭すべく、国内の移動を主眼においた水際対策を早急に確立する必要がある。民間事業者の中には既に対策に着手しているところもあり、長崎空港の安田汽船産業は既に体温チェックを行い、乗船制限を実行している(別紙2)。
新型コロナウイルス感染症から県民の生命を守り、不安を払拭する為には、空港や港湾等の水際対策としてサーモグラフィー等を設置し、来県者の体温チェックを行う必要がある。感染が疑われる症状等が発見されれば、医療機関や感染症相談窓口等へ速やかに誘導ができる体制を早急に整備することを求める。
2、長崎県は蛍光LAMP法を用いた検査システムを8医療圏ごとに早急に配備し、検査体制を充実させ、感染者の早期発見できる体制を構築すべき。
現在のリアルタイムPCR法検査ではウイルス遺伝子の検出まで約4時間を要し、患者や医療従事者に負担がかかっている。今般、長崎大学とキャノンメディカルが共同開発した蛍光LAMP法検査システムでは検出まで約40分と大幅に時間が短縮され、検査数の大幅な増加が見込まれる。また軽量かつコンパクトであるとともに操作性も優れている為、医療従事者の負担を軽減でき、離島等で使用に適しているとされており、先般、行政検査として実施することが可能になり、保険適用されたところである。(別紙3-1,2)
新システムによる検査体制を8医療圏ごとに配備し、感染者が早期発見できる体制を構築することは感染拡大の防止につながり、ひいては県民の不安や医療従事者の負担を軽減する。早急な配備を求める。
3、感染症外来の更なる早期設置を求める。
長崎県は県内3か所に感染症外来を早期に設置すると表明したところであるが、県内のウイルス感染確認者が徐々に増加しており、県民の不安も増加している。不安を払拭する為、更なる早期の設置を求める。
4、中小・小規模事業者やフリーランスを含む個人事業主への支援の更なる拡充を求める。
感染症による経済活動の急速な縮小に伴い、事業の継続や雇用の維持が危ぶまれている。国が支援策を打ち出しているところであるが、給付の申請等には難解な書類作成が求められるなど、困惑する声もある。長崎県独自の支援策を含め、手厚い対策を早急に構築するとともに、申請や審査については、事業者に寄り添った体制を早急に構築し、迅速な支援を実現することを求める。
5、感染症対策に奮闘する最前線に対してのメンタルケア指針作成を求める。
非常事態宣言が発令された都府県をはじめ、感染症対策の最前線で奮闘する医療従事者等の疲弊が進んでいる。医療崩壊が懸念されているところであり、医療崩壊を防止するためには医療従事者の総合的なケアが必要である。負担軽減のためにはメンタルケアの重要性もあげられる。医療従事者をはじめ、非常時の対応にあたってのメンタルケアについての指針作成を求める。
文責 北村貴寿
別紙1-1 東京脱出
別紙1-2 コロナ疎開
別紙2 安田汽船産業
別紙3-1 長大1
別紙3-2 長大2