紛糾の2月臨時議会

2月臨時議会が開催。負託委員会は再審議、本会議は延長と紛糾しました。

議案は3.8億もの予算増額は認められない、当初予算内でやるべき、として修正動議をした交流プラザ・本町アパート建設事業の工事請負契約。

1回目の入札はご破算になりました。その経緯はコチラです。

そして2回目。

臨時議会当日の「歩切り」報道もあり紛糾。

所属の建設環境委員会に付託される前の本会議でも質問が飛び交いました。中には「予定価格が漏れている可能性がある」といった指摘も。

議論の焦点になったのは何故「歩切り」が行われたのか。

「歩切り」とは自治体の積算に基づく適正な工事価格から意図的に減額し、自治体の財政負担を抑える事が狙い、とされています。

いわば業者にダンピング(不当廉売)を強いる、と言う事です。

国からは工事の品質や安全の確保が担保出来ない、として歩切りを行わないように通達されていますし、大村市でも2001年より行われていませんでした。

それが何故今回の入札で突如として行われたのか。

歩切りを行った原因は何なのか、誰がどういう経緯で決めたかが、どうやって歩切りの金額を決めたのか。

以下、審議の結果のまとめです。

歩切りは1回目も2回目も行った(報道されるまで議会に説明無し)

1回目の歩切りの原因は、10月10日インターネット上に予定価格を類推できる 記事 が出ていた。
これでは公正な入札ができない。そこで歩切りをやろうと言う事になった。
記事コピーがその根拠として委員会に提出されました。

そこで契約管財課理事、副市長、市長の3者で歩切りをやろうと決めた。最終的な歩切りの金額については副市長が独断で決定した。

しかし委員会再審議の中で、そのネット情報は8月の全員協議会で示された予算額と同じ金額であったことが判明。
関係職員はもとより議会、報道にも公開された情報であり、何の問題もない金額だった。

それを副市長が「予定価格が漏れていると早とちりした」という答弁。

2回目の歩切りに関しては、1回目の入札がご破算になったので予定価格が明らかになっているため、という答弁。

議会でも1回目の予定価格が公開された以上、2回目の入札が適正に出来ないのでは、という指摘があり、設計は変えずに単価を変えることで予定価格が変わる、という答弁でした。
しかしその変更幅では公正さが担保出来ないという判断だったということです。

歩切りの実行については1回目と同じく3者で決定。金額は副市長の独断。
過去の落札率を鑑みて2%、2500万の歩引きを決定。

1回目、2回目共に歩切りを知っていたのは3者のみ、と言う答弁でした。

本会議で指摘があった「予定価格が漏れた可能性」についてですが、あったとすれば法に背く事ですし、議会の守備範囲を超え司法の仕事となるという事です。

ただ委員会審議の中で「歩切り」が行われない、という前提ならば、今回の落札金額は失格になる、という事実は確認しています。

歩切り自体は報道で初めて知った議員が多いと思います。そして当然業者にも事前に説明はされていません。

ご破算になった1回目の入札で「歩切りがある」と推測できれば予測可能な入札金額かもしれません。

しかし工期が2ヶ月間延長され、その分経費も増額される、という条件の元、2500万の歩切りが予測できたのかどうか・・・私には判断つきかねます。

審議を深めるなかで合同会派の存在は大きかった。
委員会採決前に再審議を求めたのも会派調整会議で新たな指摘があったからです。

「歩切りの原因としているインターネットの金額は既に発表済みの予算額ではないか」
「歩切りの金額を決定した経緯を詳細に答弁させるべき」

等々、新たな指摘があり、再審議に持ち込んで「早とちり」だったという歩切りの経緯が特定できました。

私の議員力不足を補完して頂いた事は大きいし、質疑の勉強になりました。

交流プラザ&本町アパートは市が建設する公共の施設です。

過去には耐震偽装、そして安心安全が求められて当然の昨今、担当者が積み上げてきた積算を無視し、工期が2カ月延びるにも係わらず2500万のダンピングを強いた建築物が良いものになるのかどうか甚だ疑問。

泣きを見るのは下請け、孫請け、最終的には大村市民になるのではないでしょうか。

審議の中では、年度を超えれば事業自体の存続が難しくなる、という答弁がありました。
国からの補助が大きいので、24年度中に行わなければならない、と言う事です。
走り出したら止まらない公共事業とは良く言ったもの。

しかし本当にそれで良いのか。

同日の報道には先般のグループホーム火災を受け、スプリンクラー設置が義務化、とありました。

再三指摘してきましたが、この本町アパートはスプリンクラーが設置されていません。
高層の高齢者用住宅、そして消防車は片側からしか接近できないにもかかわらず、です。(基準はクリアしています)

加えて安部政権は老朽化したインフラ等の整備、安心安全を確保するために公共工事を増やす、と明言しています。

安心安全の為にスプリンクラーを設置したい、その為に設計をやり直す、という理由で年度を超えるのは難しくないような気がします。

そして、それを可能にすることこそ、政治の役割、政治の業なのだと思います。

・国の通達にも係わらず歩切りを行ったこと自体が入札や積算を歪める行為である。
・歩切り=ダンピングを強いる事は業者いじめであり、その原因が「早とちり」とは納得できるものではない。
・1回目から行われたという歩切りの説明も議会には無く、再三指摘している議会への説明不足であり議会軽視である。
・スプリンクラー設置の為に設計をやり直し、再度適正な入札を行うべき。

以上のような理由からこの入札は不適切と判断し、私は「反対」としましたが委員会、本会議共に賛成多数で可決されました。

1回目の入札がご破算になった原因は、そもそも現状に則していない入札規定が原因。
変えるべきだった規定を、現状に則した形で運用した職員に、第3者の指摘によって入札がご破算、業者に負担を掛け、混乱を招いた、と言うことで処分がなされました。

今回の混乱の原因になった歩切り、それも「早とちり」で2500万円のダンピングを強いる行為に問題は無いのか。

議会が賛成多数で可決したから問題ない、という論法は成り立つでしょうが、反対した私から見れば納得はできません。

懲戒審査会の判断を待ちたいと思います。

3月議会が告示、予算審議なので山のような書類が。

議会に送って頂いて2年目、最後の議会。
しっかり審議します。

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