希望を捨てる勇気

希望を捨てる勇気―停滞と成長の経済学
池田 信夫 (著)

最近ご無沙汰の池田本、氏のブログはほぼチェックしているので内容も大体被っている。

しかし本書はブログと違って丁寧な印象。
氏の文体は毒が強く、特に左派を罵倒するブログのエントリーには違和感を覚える人も多いだろう。ブログと違って文量がある本書では、マル経の主張や経済政策の誤りを丁寧に説明してある。

徹頭徹尾のリバタリアズム(=各個人の自由を最大限尊重すべきだとする政治思想)に貫かれている著者だが、セーフティネットの提案もされている。負の所得税が実現すれば実に効率的な社会になるだろう。

日本は黒船や敗戦という国難には優れたリーダーと国民の結束で復活してきた。
しかしまだ現在は国難までには達していない。高度経済成長の時代に築いた富=金融資産がバッファ=緩衝の役割を果たしている。今の日本に足りないのはもう未来が無いという絶望だ、と逆説的に〆る。

これまでの池田本に比べると刺激は少ないが、戦後の日本経済の流れを知るにはお勧めの一冊です。

人口減少社会に既に突入している日本は経済も収斂していくのは避けられない。

移民政策が機能すればまた違うだろうが、移民は難民ではない。
移民にも選ぶ権利がある。かつて日本は出稼ぎに行きたい国だったかもしれないが、今はどうか。

2030年、県庁所在地で14%減、人口10万以下の都市は25%人口減になる、という試算がある。人口予測は出生数が根拠だからほぼ正確だ。もしくは社会保障政策のために底上げ計算してある数字のほうが多いという。

人口減少=経済修練=税収減少の中で政治はどうあるべきか。

県庁移転の懇談会で同席した方が「これからどう街をたたむかだ」と言われていたのを思い出す。これからは人口誘致合戦になるだろう。その戦いに必要なものは何か。
それは新しい公園やスポーツ施設、ハコモノ整備では無いと思う。

まずは雇用=経済。仕事が無いところには人は集まらない。
東京や大企業城下町といった大都市と違い公共事業、依存財源が染み付いている自治体には新しい産業で経済を活性化させるのはかなり難しいだろう。

一部の外需に頼ってきた片肺飛行から地域内需と調和した経済構造にシフトしなければならないが、医療や介護が雇用の受け皿になる可能性は高い。
それ自体が経済成長に貢献することは難しいが、内需という観点で見れば雇用吸収力はあるだろう。グローバル化することは難しいが介護保険制度の理念に立ち返り、規制緩和を勧めれば市場にも効果があるのではないか。コムスンのような事件はこりごりだけど。

また地域内での投資を活性化させる=地域内再投資力を高めること。
それはユニクロ等大型店舗で売ってるものを、わざわざ地元商店で買え、という事ではない。消費者は合理的に行動するから価格以外に優位性が無いなら安いところで買う。
地域内再投資とは地域性、オーダーメイド性が高いもの=家、庭、農産物等に消費、投資を促し、地域のマネーとモノを循環させるという事だ。

そして、内向きに引きこもるのではなく、国外に出て商売する”気概”のある企業が必要だ。中小企業単体では難しいが、行政のコネクションを構築し、外に出て行くインフラ整備が必要であると思う。ワークライフバランスが取れる社風も重要になってくるだろう。

そして自然や文化と調和した、個々のライフスタイルを確立できる環境があること。
地域コミニティが機能し、高度な教育の機会があることだ。

人が集まり続ける街。

私はそんな街を作りたい。

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