対馬に思う

1年ぶりに対馬へ渡る。
長崎ブロック協議会の領土領海問題啓発の100万人署名運動事業です。

昼間は署名運動や視察をこなす。
CASシステムには可能性を感じました。豊砲台の遺構は相当な迫力がありましたね。
夜は対馬の青年経済人との交流会。色々な話を伺うことができて楽しかった。
事業の流れは左のブックマーク、私のツイッターからでもどうぞ。

対馬の経済は厳しい。

領土問題の署名運動では排斥的な話も伺ったが、対馬の観光産業には韓国人観光客も欠かせない存在でもある。
マナーの問題は色々あるらしいが私は大いに経済、文化的な民間交流をすれば良いと思う。それも有事の抑止力の一つになりうるからだ。
しかし「対馬は韓国の領土」などという馬鹿げた話には強く抗議をするべき。中国ヘリの異常接近事件もなめられている証左。
何処の国にも「お国柄」がある。「話せばわかる」は日本でしか通用しないと思うぐらいで丁度良いのではないか。主権については敏感に反応するぐらいのほうが良い。

閑話休題

”経済効率”の観点からのみ考えれば、対馬経済の発展(というか回復)を望むのは難しい。交通体系の維持にも同じことが言えるが人口減少が進行する中、非効率的なものは淘汰されるのが自然の摂理だ。無理に維持しようとするなら税の負担や将来にツケを回すことになるだろう。

対馬が必要とされる価値は何だろうか。

経済効率的な都市の補完をするような価値、自然観光等。
それに食料(とくに海産物)の生産拠点としての価値。CASシステムなどはそれらを補完する。しかし深刻な後継者問題もあるという。

不謹慎を承知であえて書くが”迷惑施設”の移設先という価値もあるかもしれない。
最終処分場や普天間の移転などが考えられるだろう。そのリスクと引き換えに”迷惑料”という経済的な恩恵を受けるわけだ。

署名運動の最中にも市民からそんな声があったという。対馬は北朝鮮に対峙するには絶好のポジションだ。しかし台湾海峡への初動には不利だなと思ったりする。
ただ”迷惑料”目当てであって安全保障の観点からは語られていない。こんな声は大村にもあるが、補助金漬けにされ過大なハコモノが乱立する沖縄の様を見ているだけに訝しく思う。

沖縄は稀なケースだろうと思うが、対馬において迷惑施設と自然観光は両立するのが難しいだろうと思う。二者択一となるのかもしれない。

財政力は類似団体中最下位。公共事業の依存度が高かった地域であり、関連業者は3分の1にまで減少したそうだ。
国の財政から鑑みても地域振興の為の公共事業が増えるとは考えにくい。
これまでのビジネスモデルは通用しなくなると同時に人口減少という二重のハンデを対馬は負っている。

対馬の”新しい価値”は誰が創造するのだろうか。

写真は話題の対馬ご当地グルメ「とんちゃん」
交流会ではいかに売り出すかの話なども語り合った。
帰りしな三種類ばかり買い込む。甘いタレと独特の風味で美味しかった。

これが一過性のものなのかどうかは分からない。
しかし対馬の未来を担うのは若者であることは間違いない。

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