御船に到着、まずは役場で2月に控えたマニフェスト検証大会の意見交換を拝聴する。
大会では元総務大臣、元岩手県知事、増田氏を招聘するという。
市民代表のパネラーの方々と打合せ。部外者ながら色々と質問させていただく。
中でも「農業で自立する若者が増えている、産業として成り立たせたい」という若手農業者の「志」に感銘した。
御船町は事務局を行政が担い、マニフェストを題材にした町政運営を積極的に行っている。
いわゆる「マニフェスト・サイクル」のメインエンジンを行政が担っているのだ。
毎年2回の検証大会(!)がある、その為の評価をするワークショップを1年に4回、かなりの力の入れようだ。
今回のマニフェスト検証の題材は税収納。
町長は収納率を90%に、と謳っており3年目に達成したという。
その手法は多岐にわたる。
オークションから期間入札、家捜し、タイヤロックも厭わず。
手法はかなり進んでいるのではないか。マスコミの取材もあったという。
生命保険や退職金の差し押さえまでやるらしい。携帯の充電器やゴルフのロストボールまで出品されているようだ。
その背景には全国ワースト9位(熊本県)の滞納率があるという。
町、市、県と連携しているらしい。会場には人吉市からの競売物も並んでいた。
「差し押さえに踏み切る前に、どのような手続きを踏むのか」
と質問したところ、滞納額が高い、期間が長い、というところから自動的にやります、ということだった。法的にも問題ない、と誇らしげに語る行政マンには危うさも感じた。
悪質な滞納者には強い姿勢で臨まなければ難しいだろう。
矢面の行政職員は大変だろうな、と思う。精神的なケアが必要になってくるかもしれない。
未納者に非があることは明らかだ。
しかし権限執行には細心の注意が必要だと思う私は優しすぎるのか。
そしてワークショップ
懐かしいKJ法も取り入れてある。資料も充実しているし、なにより行政職員が補助に入って進行するのがすばらしい。
そこで税務課担当職員の様々な話を聞くことができた。
強制執行するということを割り切るまでに費やした年月、苦悩、悪質な滞納者とのトラブル。
そして住民の納税意識向上は永遠の課題だという。
様々な手法や気付きがあり実りの多い議論だった。
ただこういった集まりに参加する住民はいつも固定客だという。
住民の意識が低い、というか関心が無いと嘆くのはどこも同じのようだ。
しかし18,000の人口で検証大会に300名以上が集まるという。
90,000を超える大村の大会は何名ぐらいだっただろうか。
人口比率では高いし、行政が事務局ということもあるがここまで高度のマニフェストサイクルが確立されている自治体は稀だろう。
とにかく勉強になりました。
北松浦JCからもO君が参加。検証大会がんばろうねー
ワークショップ終了後、日付が変わるまで町長から薫陶を受ける。
元は行政職員、そこから後継者と目された同僚、元県議と闘い、勝ち残った方の話は説得力があり、器の大きさを感じさせる。
色々と課題もあり綱渡りだ、と表現された町政運営は易くないのだろうが日々を楽しまれているようだった。
それから神吉さんとファミレスで色々と。
やることが見えてきたので気が楽になりました。
大ポカやってスミマセン
とにかく実りの多い1日でした。
御船に入るとコンビニも見当たらなかった。いわゆる自然豊かな町。
人口は微増しているそうだ。
熊本市内へのアクセスがよく便利、それでいて環境が守られている。
車を止めてあるいていると小学生から「こんにちは!」と元気よく挨拶される。
一見何もない田舎町だが、失われつつあるものがしっかりと残っているのかもしれない。