ちゃんぽんと長崎華僑

ちゃんぽんと長崎華僑―美味しい日中文化交流史

著者 陳 優継

長崎といえば?

この問いにはそれぞれの答があるだろう。バイクで各地のキャンプミーティングを回っていたころ。初対面の相手には長崎から来た事を告げる際「カステラ、ちゃんぽん、さだまさし」と話をはじめたものだ。昨日は筑後市の方においしいちゃんぽんの店を案内したりした。
ちゃんぽんが長崎の顔の一つであることは間違いない。

その発祥の店、四海楼は陳先輩が表記の本を上梓され御献本賜る。本当にありがとうございます。

前半は四海楼の創業者、著者の曽祖父である平順(失礼ながら以下敬称略)が長崎に渡るところからはじまる。平順が希望や不安を抱えながら長崎港にたどり着く様
は想像力を掻き立てられる。

何度か四海楼のちゃんぽんミュージアムにもお邪魔しており、おぼろげながら知識はあったが、ちゃんぽんの誕生から四海楼で織り成される人間模様が移り変わる歴史とともに書かれておりより深く知ることができた。

また戦時のさなかも長崎に残りつづけた華僑の人々は少なからず差別や弾圧を受けたことだろう。店舗を解体するくだりは悲痛な思いが伝わってくる。それでも長崎の人情を信じて生活を続けた華僑の人々の「落地生根」という生き様には敬意を抱かずにはいられない。

後半では華僑の祭事について詳細にまとめてある。
初めて知る事ばかりで新たな発見ばかりだった。ランタンフェスティバルなどにお邪魔したこともあったがこの本を読んでおけばそのルーツやしきたりが良く分かりさらに楽しみが増すだろう。中華街や唐人町観光にもより深みを増すのではないか。長崎学読本ともいえるだろう。
また壮大な家系譜には宇宙的な広がりを感じるところ。

全体を通して感じるのは華僑としての誇りと家族愛、そして長崎への郷土愛だ。

また四海楼のちゃんぽんが食べたくなりました。

アマゾンレビュー1GETです。
まだ取り扱っていないようなのでお求めは書店や長崎新聞社から

昨今では軽々しい蔑視的な発言を耳にすることがある。
歴史観の問題などもあり偏狭なナショナリズムを感じることもある。

しかし国家の対立が何を生むのか。

長崎は中国と縁深い土地柄。
お互いの主張や誇りは尊重しつつ敬意を持って接したいものだ。

北村タカトシ公式SNS

SNSでも日々の活動をお伝えします

後援会入会のお願い

皆様の支えが必要です

北村タカトシ公式SNS

SNSでも日々の活動をお伝えします

後援会入会のお願い

皆様の支えが必要です