遅ればせながら

上海スナップ

ヤミクモにとってます
以下フォーマルな報告書でございます

中国国際交流大村少年使節団派遣事業 報告

                  団長 北村貴寿

平成19年度の中国国際交流大村少年使節団の団長を、というお話を頂いたときには、寝耳に水。
私は(社)大村青年会議所に所属しており、同協会に理事として出向させていただいている関係上、白羽の矢が立ったようでした。
果たして私に務まるのかどうか不安もありましたが、中国には渡航したことが無く、個人的に興味もありましたので「何事も経験」と思い参加させていただくことになりました。

(財)大村国際交流協会は竹下内閣時代の政策「ふるさと創生1億円基金」を基に設立された団体です。
昨今の低金利では金利収入だけでの運営では難しく、会費収入が頼みの綱なのですが、ご時勢を反映してか会員数も思うように増加せず、厳しい運営状況となっています。
本年の事業も規模を縮小しての開催となりましたし、そのような時期に参加するからこそ、国際交流を深めると同時に、この事業の開催の是非まで含めた今後の方向性を見出す、というミッションがあるように感じていました。

本年はおおむら夏越まつりの企画室長を務めており、まつりの準備に忙殺され、事前研修に満足に参加できなかったのが残念でした。少年たちの顔と名前が一致するようになった程度で渡航の日を迎えることとなりました。出発式では数々の激励の言葉を頂き、心より感謝しております。

まずは初日ですが、渡航の飛行機が遅れてしまい、閔行区人民政府への表敬が中止になるかもしれない、という話でしたが、副区長様はじめ皆様が私たちの到着をお待ちになっており歓迎を受けました。
表敬訪問では上海市や閔行区についての丁寧な説明を受けることができました。スケジュールが押していた為、形式的な表敬訪問になってしまいましたが、発展を続ける中国の勢いやパワーを実感できたことは意義深いことだったと思います。

上海の人口は1800万人とも言われる中国の首都北京につぐ大都市。その中の閔行区は人口78万のベッドタウンです。大村市のおよそ8倍の規模となる大都市ですが、どちらも空港が有るなど交通機関に恵まれている、ハイテクパークがある、などといった共通した都市の特徴があります。
リニアモーターカーが物凄いスピードで駆け抜けて行くこの都市のパワーを長崎空港に直行便がある大村のまちづくりに生かすことができないものだろうか?などと考えました。

程なく夕食となり、本場の中華料理の洗礼(日本の中華は日本人向けアレンジされているのが良く分かりました)を受けたのちホテルに到着。
近代的な設備で一安心したのですが、水の泥臭さには閉口しました。しかし子どもたちに贅沢をさせる必要は無いのですから、必要十二分なホテルであると思いますし、これもいい経験になるのではないかと思いました。
初日最後は会議室にて明日の交流に備えた簡単な語学研修を行い終了。明日からの交流日程に備え早めの就寝となりました。

翌日早朝より閔行中学校へ、バスの車窓からみる市街の喧騒は、信号が変わると同時に走り出す大量の自転車達・・・といった前々からの中国のイメージ通りそのものでした。交通ルールは比較的アバウトなようですが、凹みが目立つ車は見かけません。厳格な交通ルールがなくてもそれなりに成立している、といった所でしょうか。しかし日本とは違う緊張感やスリルが強いられそうです。

程なく学校へ到着、重厚な門構えに驚きました。門番が常駐しており、車の出入りごとに機械式で開閉をしているようでセキュリティの高さに驚きました。しかし、それほど治安の悪いような街だとは思えませんでしたがこれも中国流なのでしょうか。

学校に入ると大きな横断幕が掲げられており、「熱烈歓迎」の文字が。
バスを降りるやいなや花束での歓待を受け、気恥ずかしくもありました。
交流会では副校長様より故事を引用された丁寧なご挨拶を受け、学校の歴史や規模などの説明を受けました。私も日本の諺「郷に入っては郷に従え」を引用してのご挨拶を。
生徒よりは日中友好の礎を築いた歴史上の人物を引用しての挨拶。本当によく準備、勉強をされているな、と感じましたし、学力の高さ(英語ペラペラの上に流暢な日本語を話す生徒まで!)に感嘆せずにはいられませんでした。
記念品を交換し、つつがなく交流会を終え、子どもたちはホームビジットへ。
私は同行していませんのでどんな交流になったのかは、各自の感想文をご参照いただければと思います。ただ、半日の訪問を終えた子どもたちは、異文化に触れた驚きからか、バスの中で興奮気味に話をしていたのが印象的でした。

翌日は上海市内の合同視察で大都会の勢いとパワーを目の当たりにし、蘇州市の視察では中国の古きよき文化に触れることができました。社会主義国ながら貧富の格差も目ついたところではありますが、2008年北京五輪、2010年上海万博を控え、西洋文化のスタイルをとりいれながら凄まじいスピードで発展してゆく中国に混沌としたパワーを感じずにはいられない視察となりました。
詳しい内容については、こちらも子どもたちの感想文をご覧いただきたいと思います。

さて、冒頭に触れたこの事業についての今後の方向性について延べてみたいと思います。あくまで私の主観となり恐縮ですが、今後もこの事業は継続するべきであると思います。
しかし、事前研修まで含めたカリキュラムを変更した上で、という注文をつけたいところです。
帰国の直前、子ども達に「また中国に行きたいか?」と尋ねたところ「また行きたい」と答えたのは六人中一人のみという寂しい結果。残りの子ども達は違う国に行ってみたい、と答えていました。海外や異文化への関心を高める事が出来た、海外渡航への精神的なハードルを超すことが出来た、と思えばそれでも良いのでしょうが「中国との交流」いう点に絞って考えれば、残念な結果だったといわざるをえません。
しかし、そんな中でも「また行きたい」と答えた子は連絡先を交換し、既にメールも送信してみた、もっと中国語を勉強してまた行きたい、と目を輝かせていました。この事業の本来の目的はこのような子を増やすことだと思います。
海外渡航についてのハードル(言語や渡航費用等)をクリアしようという高いモチベーションもち、自分を磨こうとする青少年を増やす事。大村の未来を担う活力ある人材育成に資する事なのではないでしょうか。
そのモチベーションの源になるものは何でしょうか?名所を巡り異文化に触れたり、その国ならではの料理を食べたりする事もその中のひとつだとは言えると思いますが、私は彼の地にいる友人にまた会いたい、というものも大きな要素だと考えます。異国に友人を沢山作り、また会いたいという親密な関係を構築する。そんな民間外交が波及すればひいては両国の外交上の未来に資することもあるのではないでしょうか。

本年の事業カリキュラムの中で両国の子ども達の交流に集中した日程は実質1日だけだったと思います。この事業内容を事前研修まで含め、交流に的を絞ったカリキュラムに変更し、子ども達に更に親密な交流を体験させるべきだと思いますし、視察については最小限にとどめて良いのでは、と感じました。詳細な内容については今後理事会等で発言をしていきたいと思います。

私自身が参加してみた上で、この事業は未来を担う次世代の人材育成につながる、と確信をしたところでもあり、直行便のある長崎空港を有する大村のまちづくりに資する可能性があると考えます。
協会の運営は厳しい状況ではありますが、この事業の火を絶やすことの無いようにしたいものだと思いました。

5日間の日程の中で、特に気にかけていたのは子ども達の体調でした。しかしそれも杞憂に終わったようで一安心です。特に女の子パワーには圧倒されました(笑)
最後になりますが、子ども達を無事に帰国させる、という団長としての最大のミッションを完了できたのは、随行員の周様、添乗員の中川内様の協力あってこそだと思います。本当にありがとうございました。

今回の事業は私にとっても実り多い旅でした。今度は北京や西安も見てみたいと思っています。このような貴重な機会を与えていただきました関係者全ての皆様に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

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