●転機を迎えた2005年
時が過ぎるのは早いもので2005年も終わろうとしています。
日本経済は踊り場を脱したともいわれますが楽観できる状況ではなく、世界各地では天災も頻発、安全正確であるはずの公共交通機関においては人災ともいえる大惨事も起りました。また衆院の解散、圧勝を受けた与党の「官から民へ」「小さな政府」という構造改革が進む中、高齢化の進行とともに増大する社会保障費の財源は不透明で、少子化には歯止めがかからず、企業間の買収問題が紙面を賑わし、金銭至上主義的な風潮も起こりました。人間性を疑わずにいられないような犯罪は本年も多発し、少々のことでは耳に付かなくなったように思います。
そして終戦60周年を迎えるとともに、外交問題が取り沙汰され、歴史認識や憲法改正の論議が高まりました。混迷する不安な社会情勢にはまだまだ光は見えませんが、私たちの国が「転機」を迎えた年であった様に思います。
●率先して行動する
そんな転機を迎えた2005年、私たちは、会員個々の多様性を認め合いながら、同じ「志」をもっていることを忘れずに、そして青年らしく明るく前向きに、熱く楽しく夢を語り合いながら行動を興そう、との思いを込め、
「百花繚乱・異体同心 熱く楽しくまちづくり!」
というスローガンを掲げました。そしてなによりも「率先して行動する」ことを念頭に置きながらまちづくりやひとづくりに挑戦し、研鑽に励みながら活動してまいりました。
JCの理念を共有し、郷土の為に共に汗することができる仲間作り「会員拡大活動」を精力的に展開し、青少年健全育成事業として心身の鍛練と健康の増進をはかる「わんぱく相撲」を開催。子どもたちの郷土愛の育成を目的とした「子ども新聞コンクール」、先の衆院解散においては「政策公開討論会」を開催いたしました。その他にも「おおむら夏越まつり」への参画、内部向けのセミナー等々、本年のより詳しい活動内容は本紙の年間活動報告をご覧いただければ幸いです。
「率先して行動し、失敗を恐れずに挑戦することが青年の特権である」と改めて感じた一年でありました。今後もこの気概を忘れることなく活動を続けてまいります。
●夏越は文化
私たちの住む日本には、全国津々浦々に様々な「まつり」が存在します。
「まつり」はその土地柄や人情が現れるもので、その土地の文化といっても良いものです。私たちの郷土には「おおむら夏越まつり」があり、本年も市民の皆様の暖かいご協力とご理解を頂き、無事に開催することができました。提唱団体、そして一参画団体として心より御礼申し上げます。
そして、私たちはこのまつりが100年、200年と続く「大村の誇れる文化」とするために、継承すべきところは継承し、変えるべき所は変えていく。「継承と革新」がこのまつりを進化させ、大村の確固たる文化として定着することに繋がっていくと思います。今後も皆様のご支援とご理解を賜りますようお願い申し上げます。
●大海を知る
JCは世界的な組織であり連携を持って活動しています。本年日本JCでは全国協働運動として公開討論会の開催を推進、高まる憲法改正論議に関しては「日本国憲法JC草案」を発表しました。
また九州地区協議会に委員長を輩出し、九州地区との繋がりが強くなった一年でもあり、JCメンバーはビジネスマンでもあるという観点から様々な研修事業を開催。国際規模の事業にも及びました。
長崎ブロック協議会においても多数の出向者を輩出、青少年育成事業が大村のトリカブト山で開催され、その事業で作成された子どもたちの作品は長崎空港のロビーを飾っています。ところ変われば品変わる、大海に飛び出して得た経験や刺激、そしてJCの友情は今後も私たちの活動に大いに寄与していくことであろうと思います。
●青年の責務
青年の特権が「行動・挑戦」ならば、私たちが持つ「責務」とは何でしょう?権利の裏に義務があるように、私たち若い世代にも負うべき責務があると思います。
「新日本の再建は我々青年の仕事である」という志を抱き、終戦後の荒廃したこの国にJCを興された日本JCの祖、三輪善雄先輩の「JUNIORでなければできない使命を発見し、JUNIORでしかできない方法で実践する。JCは老人達のやるようなことをマネするような組織ではいけない」という言葉にヒントがあると思います。
それは「何物にも染まらぬ若さ」を誇りとすること。郷土を愛し、己を律しながら「自らの手で地域や国を変えることが出来る」ことを信じ、考え、実践に移すことだと思います。
現状に満足できず、不満や疑問・憤りなどがあるならば、自分以外の何かのせいにしないこと。その思いを仲間にぶつけ、議論し、自ら先頭に立って行動すること。そしてそれを組織的な運動に繋げて行くことができるのは、JCだからできることだと信じます。
私たちは、社会や世界の動きに敏感に反応し、私たちと郷土の将来を真剣に考え、行動することを責務とし、今後も活動を続けて参ります。
●感謝、そして2006年へ
転機の年であった2005年、大村JCは46年目の歴史を刻むことができました。これもひとえに、先輩方が郷土の発展のために活動を続けていただいたこと、そして関係機関、各諸団体、市民の皆様や地域企業の御理解とご支援の賜物であり、会員一同心より感謝申し上げます。2006年も私たちは明るい豊かな社会を築きあげるため、JCスピリットを胸に活動を展開して参ります。今後もこれまで同様、皆様のご支援とご理解をいただきますようお願い申し上げます。
一年間本当にありがとうございました